研究課題/領域番号 |
13670994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
東間 正人 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (00173146)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | てんかん / キンドリング / 海馬 / 脳スライス / 抑制性シナプス伝達 / 脱抑制 / 後発射 / GABA |
研究概要 |
われわれが開発したてんかん発作期モデルを用いて、γアミノ酪酸(GABA)介在抑制機能の関与を検討した。ラット海馬スライスCA1野の放線層に1秒間100Hzの高頻度刺激を10分間隔で繰り返し加え、発作期律動波類似の後発射を発展的に誘発した。われわれは、このモデルに対するGABA_A受容体拮抗薬の効果を検討した研究より、GABA_A受容体介在性抑制機能の活性が後発射の発生に不可欠であることを明らかにし、従来の脱抑制仮説の修正を提唱してきた。 本研究において、このモデルのてんかん発作期モデルとしての妥当性について検討した。後発射に対して、海馬てんかんに有効である抗てんかん薬フェニトインとカルバマゼピンは、臨床的有効濃度と一致する濃度で抑制したが、海馬てんかんに無効である欠神発作の抗てんかん薬エトスクシミドは臨床的有効濃度では無効で、むしろ高濃度で促進的に作用した。以上の抗てんかん薬の効果に関する有効濃度と選択性より、このモデルが海馬てんかんのモデルとして妥当であることが証明された。 加えて、このモデルにおいて、高頻度刺激の反復により抑制性シナプス後電位がいかに変化するかを細胞内記録法を用いて検討した。高頻度刺激により、後発射は発展的に誘発される一方、単一電気刺激で誘発されるGABA_A受容体介在性抑制性シナプス後電位の振幅は、高頻度刺激前と比較して増大した。また、高頻度刺激により後発射が安定的に誘発されたスライスの約1割で、単一刺激によっても後発射が記録された。この後発射は、GABA_A受容体とGABA_B受容体介在性抑制性シナプス後電位の間で誘発された。この所見は、上記のGABA_A受容体拮抗薬を用いた研究から示唆されたてんかん発作波の誘発に対してGABA_A受容体介在性抑制機能活性が重要な役割を担うとする仮説を支持している。
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