研究概要 |
高頻度磁気刺激(rTMS)が、ラットにおいて不安を形成するか否かを調べる研究を計画した。不安をしらべる方法として恐怖条件付け試験、高架十時迷路、明暗箱を用いた。また選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor : SSRI)や抗不安薬であるdiazepam, alplazolam and buspironeがrTMSによる不安を抑制するか否かも調べた10日間のrTMS慢性照射は、Elevated plus maze, Black & white boxテスト,Conditioned fear stressテストによってラットに対して不安を惹起することが明らかとなった。この不安は、paroxetineの慢性投与やdiazepam, alplazolam, buspironeの急性投与で抑制されたがparoxetineの急性投与では抑制さえなかった。rTMSは従来うつ病や神経症の治療に使用されてきたので、我々は最初rTMSが不安を抑制するものと予想していた。しかし結果は逆であった。rTMSは、正常ラットではむしろ不安を惹起した。rTMSは、正常ラットではむしろ不安を惹起した。このrTMSによる不安は、paroxetineの慢性投与やdiazepam, alplazolam, buspironeの急性投与で抑制された。このことはrTMSによる不安は、セロトニンやGABA-ベンゾジアゼピン系の神経伝達が関与している可能性が考えられる。
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