研究課題/領域番号 |
13671019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長友 医継 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70180502)
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研究分担者 |
赤崎 安昭 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (80295245)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 注意欠陥多動性障害 / 行為障害 / ダイオキシン / セロトニン / セロトニン免疫陽性細胞 / 電気ショック |
研究概要 |
2・3・7・8-4塩化ダイオキシン(ダイオキシン)を始めとするダイオキシン類による環境汚染が引き起こす中枢神経系への影響について検討した。また、ダイオキシンは脂溶性であり、体内の脂肪組織に集積する傾向があり、胎盤・母乳暴露により、脳障害がもたらされる可能性もある。そこで我々は、まず、ラットを用いて経口摂取したダイオキシンの中枢神経系への直接的な影響について検討した後、マウスを用い、ダイオキシンの経胎盤・母乳による影響を検討した。実験(1)Long-Evansラットにオリーブオイルに溶解したダイオキシン(50μg/kg)を、胃ゾンデを用いて投与した。対照群には同等量のオリーブオイルを投与した。全部で35匹のラットを用いたが、実験に使用できるまで生存したラットは24匹であった。この24匹をダイオキシン投与後、12時間、1日、2日、3日、4日、1週間、2週間、4週間、5週間で還流固定を行い、c-Fos陽性細胞を検出した。ダイオキシン投与3日または4日目に、視床下部のうち、背内側核、室傍核、内側視索前核および扁桃体中心核、分界条床核外側部に対照群に比較して、最も大量のc-Fos陽性細胞が出現した。さらに1〜5週間後のラットでこれらの部位のc-Fos発現の検討を重ねると、扁桃体中心核および分界条床核外側部のそれが持続していた。一方、海馬、大脳皮質、小脳、線状体、黒質、嗅球では著しいc-Fos陽性細胞の出現はみられなかった。実験(2)雌のddYマウスにオリーブオイルに、溶解したダイオキシンを週1回、8週間連続して胃ゾンデを用いて投与した。投与したダイオキシンンの量は、Aグループが4.9x10^3pg/kg、Bグループが4.9x10^5pg/kgである。最終投与が終了した後、雌マウスを正常マウスと交配し、妊娠させ、生まれた子マウスを6週間飼育した後に還流固定を行い、セロトニン陽性細胞を検出した。セロトニン免疫陽性細胞は、縫線核群に広く分布しており、分布の仕方は対照群と同様であった。しかし、その標識強度は明らかに弱く、標識細胞数も減少していた。そして、各グループ6匹ずつの子マウスを標識細胞数のカウントに用いた。標識細胞は、縫線核群のうち、縫線背核、正中縫線核、上毛帯核、大縫線核でカウントした。大量のダイオキシンで暴露された母マウスより出生した子マウスほど、いずれの部位においても標識細胞数は減少していた。
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