研究課題/領域番号 |
13671028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
西嶋 康一 (2002) 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30198460)
片山 仁 (2001) 自治医科大学, 医学部, 助手 (40332986)
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研究分担者 |
片山 仁 自治医科大学, 医学部, 助手
丹生谷 正史 自治医科大学, 医学部, 助手 (00228256)
西嶋 康一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30198460)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | serotonin / serotonin syndrome / Dopamine / 5-TH_<2A> receptor antagonist / Noradrenaline / Glutamate / NMDA antagonist / diazepam / memantine / glutamate / 5-HT2Areceptor / NMDAreceptor / serotonin(5-HT) / risperidone / bromocriptine / 5-HT_2A receptor / glntamate / NMDA receptor |
研究概要 |
セロトニン(5-HT)症候群は主に抗うつ薬の投与中に発現する医原性の疾患である。本症候群の治療法はまだ確立されていず、またその病態生理も十分に解明されていない。そこで、われわれは5-HT症候群の致死性の動物モデル(clorgyline 2mg/kgと5-hydroxy-L-tryptophan(5-HTP)100mg/kgを投与)を用いて5-HT症候群に対する様々な薬剤の有効性を検討した。有効性の判定は、原因薬剤投与後出現する直腸温の上昇を前投与した薬剤が抑制するかどうかで調べた。その結果、5-HT_<2A>受容体遮断作用の強い薬剤、すなわちrisperidone, pipamperone, ketanserin, ritanserinなどが最も有効であった。純粋な5-HT_<1A>受容体遮断薬であるWAY100635は5-HT症候群に効果は示さなかった。5-HT受容体にする非特異的拮抗薬であるcyproheptadineは、その用量を多く投与すれば5-HT症候群による直腸温の上昇を抑制した。悪性症候群に使用されるdantroleneは直腸温の上昇をある程度抑制した。脳保護作用を有するベンゾジアゼピン系薬剤であるdiazepamやmemantineなどのNMDA受容体拮抗薬も動物モデルの直腸温の上昇を抑制した。次に、5-HT症候群の病態生理を調べるため、新たな動物モデルで、ラットの視床下部におけるドーパミン、セロトニン、グルタミン酸の濃度変化をmicrodialysis法により4時間まで調べた。その結果、tranylcypromineとfluoxetineによる5-HT症候群では、視床下部のドーパミンとセロトニンは約50倍と40倍に上昇した。一方、dorgylineと5-HTPによる5-HT症候群では視床下部のドーパミンとセロトニンは約10倍と150倍に上昇した。グルタミン酸は、ドーパミンの増加が多い前者の動物モデルで薬剤投与3時間以降約5倍まで上昇したが、セロトニンが著明に増加する後者の動物モデルではグルタミン酸の増加は認めなかった。以上の様に、5-HT症候群といっても原因薬剤によって脳内モノアミン代謝、グルタミン酸代謝が異なることが判明した、このように、さまざまな中枢神経系の関与がヒトの多彩な5-HT症候群の臨床症状の形成に関与することが示唆された。
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