研究課題/領域番号 |
13671030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
小田垣 雄二 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10221160)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | G蛋白 / [^<35>S]GTPγS結合 / セロトニン受容体 / ドパミン受容体 / 抗うつ薬 / 抗精神病薬 / 感情障害 / σ受容体 / 三量体G蛋白 / γ-Hydroxybutyric acid / Trazodone / シグマ受容体 / 非定型抗精神病薬 / 三量体G蛋白質 / γ-hydroxyburyrate |
研究概要 |
受容体と共役する三量体G蛋白の機能的活性化を、ラット脳各部位および受容体を発現させた培養細胞の膜標品における[^<35>S]GTPγS結合を用いて検討し、以下の結果を得た。 1.神経伝達物質の可能性が指摘されているγ-hydroxybutyrate(GHB)はラット大脳膜標品における[^<35>S]GTPγS結合に影響を与えなかった。この結果はGABA_B受容体を介する反応と対照的であり、GHB受容体は少なくともG_<i/o>と共役する代謝型受容体ではないものと考えられた。 2.ラット大脳膜標品における[^<35>S]GTPγS結合に対し、種々のシグマ(σ)受容体リガンドは、(+)-3-PPPを除き効果を認めなかった。線条体膜標品における(+)-3-PPPを介する反応は、σ受容体ではなくドパミンD_2受容体を介するものであることが薬理学的に明らかとなった。結局、G蛋白と共役する代謝型受容体としてのσ受容体の存在は示唆されなかった。 3.ラット海馬膜標品において、セロトニン(5-HT)刺激による[^<35>S]GTPγS結合の上昇反応は5-TH_<1A>受容体を介するものであった。 4.ラット大脳皮質膜標品においても、5-TH_<1A>受容体を介するG蛋白の機能的活性化が[^<35>S]GTPγS結合を用いて検討可能であった。 5.ラット線条体膜標品における5-HT刺激による[^<35>S]GTPγS結合の上昇反応は、主に5-TH_<1B>受容体を介するものであった。 6.非定型抗うつ薬であるTrazodoneが、その活性代謝物であるm-chlorophenylpiperazine(m-CPP)とともに、ラット大脳膜標品および5-HT_<1A>受容体を発現させたCHO細胞の両者において、5-HT_<1A>受容体の部分作動薬として作用することを明らかにした。この作用はTrazodoneの臨床効果の一部に関与する可能性があるものと考えられた。 7.Clozapineをはじめとする非定型抗精神病薬がラット大脳膜標品における5-HT_<1A>受容体の部分作動薬であることを示した。従来の抗精神病薬のなかでは、nemonaprideに特にこの作用が強く、これらの薬物の陰性症状に対する効果に関連するものと考えられた。
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