研究課題/領域番号 |
13671044
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋野 聡 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (60271665)
|
研究分担者 |
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | Taxol / アポトーシス / MyD88 / NF-κB / TNF-a / シグナル伝達 / taxol / apoptosis / TNF-α / signal transduction / toll-like receptor / 低酸素 / 抗癌剤耐性 / HIF-1 / pim-1 |
研究概要 |
固形癌細胞株のほとんど全てにおいて低酸素下でのHIF-1α蛋白の発現を認めた。固形癌の中でも膵癌細胞株の大部分が(75%)HIF-1α蛋白を恒常的に発現していることを見出した。HIF-1α蛋白を恒常的に発現している膵癌細胞がアポトーシス抵抗性を獲得していたため、HIF-1α蛋白の機能を阻害するdominant negative HIF-1α遺伝子を導入した膵癌細胞株を樹立した。HIF-1α蛋白がアポトーシス耐性に関与しているとすれば、dominant negative HIF-1α導入によってアポトーシス耐性を解除出来るのではないかと考えた。dominant negative HIF-1α導入株においては、低酸素と低グルコースによるアポトーシス誘導に対して感受性が亢進した。また、抗癌剤CDDPに対して低酸素下では感受性が約半分になるが、dominant negative HIF-1α導入株においてはほぼ同様な感受性を示すことを認めた。さらにdominant negative HIF-1α導入株は、SCIDマウスにおける造腫瘍性を失っていることを見出した。これらの事実は、HIF-1α蛋白がアポトーシス耐性に重要な役割を果たしていること、生体内増殖にも重要な役割を果たしていることを示唆する。 今回の研究で、白血病細胞の抗癌剤感受性を検討する過程で、骨髄単球性白血病細胞がTaxo1に非常に感受性の高いことを見出した。その機序を検索する過程で、Taxolの骨髄単球性白血病細胞に対するアポトーシス誘導がMyD88と呼ばれるシグナル伝達機構を介しておこることを見出した。この機構は、従来のTaxolの抗腫瘍効果(アクチン重合安定化を介した分裂阻害)以外に新しい抗腫瘍機構が存在することを示唆する。
|