研究課題/領域番号 |
13671052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小山 高敏 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教授 (20234916)
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研究分担者 |
山本 恵子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究科, 助手 (90147017)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | thrombomodulin / tissue factor / gene transfer / plasmin inhibitor / non-viral gene transfer / protein C / factor VII activating enzyme / tumor necrosis factor / トロンボモジュリン / 組織因子 / プラスミンインヒビター |
研究概要 |
1.抗凝固因子トロンボモジュリン(thrombomodulin ; TM)について 臨床例で報告のある、三種のプロモーター領域の変異について検討し、-33、-133の変異がTM発現を低下させることを見出して報告した(Atherosclerosis 2002)。大動脈・冠状動脈バイパス(ACバイパス)手術にグラフトとして用いられる大伏在静脈内皮細胞のTM発現は、動脈血流にさらされて減少する。移植血管内皮細胞へのTMないしtissue factor pathway inhibitor (TFPI)遺伝子導入が、血管再閉塞を防げないかを検討するため、まずin vivoで30分間クランプしたラットの大静脈へのTM遺伝子導入を行った。ウイルスベクターを用いず、トランスフェリンとその受容体の結合を利用し、リポソームを用いて効率のよい遺伝子導入を行う独自の手法で、良好なTM遺伝子、蛋白発現をなし得た動脈血流下でのトロンビン形成の低下をもたらすことも確認した。 2.凝固因子組織因子(tissue factor ; TF)の発現について 体外楯環時創部血、循環血中や人工肺に付着した単球のTF発現の病的発現、好中球細胞表面では活性化マーカーCD11b発現の増加を見出し、心臓外科手術時の体外循環では、外因系凝固活性化が起こっていることを見出した(Ann Thorac Surg 2001,Artif Organs 2002)。その対策として自己血返血時の白血球フィルターの使用を提唱した。心臓外科手術時の体外循環では、血小板やciruculating microvesiclesを介した即時的なTF発現と単球中のTF転写活性上昇という2つの機序で外因系凝固活性化が起こっていることを見出した(Thromb Haemost, in press)。また、各種プロテアソームインヒビターが、一種のストレス刺激となってp38とactivator protein 1経路を活性化して、TF発現を転写レベルで上昇させることを見出した(Thromb Res 2003)。 3.蛋白欠乏症と細胞内輸送障害に関する研究 我々は、血液凝固・線溶阻害因子の先天性欠乏症に関する分子生物学的解析も関連領域として継続している。世界で5例目となるプラスミンインヒビター欠乏症の遺伝子異常(plasmin inhibitor America)を同定して報告した(Thromb Haemost 2002)。この分子はN型糖鎖付着部位を持たないが、プロテアソームで分解されて、細胞外に分泌されないことを見出した(臨床血液2003,2004)。
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