研究課題/領域番号 |
13671062
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
門脇 則光 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324620)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 同種造血幹細胞移植 / 免疫再構築 / 自然免疫 / 樹状細胞 / 1型インターフェロン / 移植片対宿主病 / ステロイドホルモン / インターフェロン / 自然免疫系 / 免疫不全 / 日和見感染症 / 移植片対宿主病(GVHD) / ステロイド |
研究概要 |
同種造血幹細胞移植後の強い免疫不全状態がどの免疫担当細胞の機能不全によるのかを明らかにすることは、移植後の致命的な日和見感染症を防いで患者の生命予後を改善するために重要である。1型インターフェロン(IFN-α/β)は感染早期に産生されあとに続く免疫反応全体を賦活化する重要なサイトカインであり、おもにlin^-CD4^+CD11c^-の血液細胞(IFN-α/β-producing cells ; IPC)によって産生される。したがって、このIPCの回復遅延あるいは機能不全が同種移植後の免疫不全の大きな要因である可能性がある。本研究では、同種造血幹細胞移植を受けた28名の患者末梢血中のIPCの数とそのIFN産生能、および他の免疫担当細胞の数の推移を追跡することにより、移植後の免疫不全におけるIPCの関与を検討した。合併症のない移植においては、IPCは30日以内に正常範囲に入り、マクロファージやNK細胞といった他の自然免疫系の細胞と同様に比較的早い回復を示した。それに対して、急性GVHDによりステロイドを投与されている患者では、IPCの回復が有意に遅延し、ウイルス感染症の発症も有意に増加していた。合併症のない場合にIPCが速やかに回復することは、移植後早期に生体防御システムを確立するうえで合目的的な生体機能を反映していると考えられる。一方、急性GVHDとその治療としてのステロイドは、IPCの回復遅延を介して、移植後の易感染性を増す可能性が示唆された。したがって、移植後のIPCの回復を促進する方策が、日和見感染症を減少させるうえで重要と考えられる。
|