研究課題/領域番号 |
13671076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
永井 正 自治医科大学, 医学部, 講師 (40237483)
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研究分担者 |
大嶺 謙 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316521)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / 薬剤耐性 / imatinib / R115777 / RAS / KCL22 / SR / K562 / KU812 / Farnesyltransferase阻害剤 / STI571 / ascorbic acid / Nrf2 / γ-GCS |
研究概要 |
BCR/ABLキナーゼ阻害剤imatinibは慢性骨髄性白血病(CML)に対する有効な分子標的薬であるが、特に急性転化例に対しては薬剤耐性の獲得が問題となる。本研究ではimatinibに対する耐性機序の解析およびRAS阻害作用を有するFarnesyltransferase阻害剤R115777によるimatinib耐性克服の可能性について検討を進めた。まず、ヒトCML由来細胞株KCL22、K562およびKU812SRを親株として、imatinib耐性株KCL22/SR、K562/SRおよびKU812/SRをクローン化した。これらのimatinib耐性株では、imatinibの添加によりリン酸化BCR/ABL量が親株同様に低下したことから、BCR/ABLの下流の異常が耐性獲得に関与しているものと推察された。次にDNAマイクロアレイ法により遺伝子発現プロフィールを検討した結果、KCL22/SRではRAS-MAPK系に関与する分子RASAP1およびRhoAの発現量がKCL22と比較して増加していることが明らかとなった。さらに、KCL22/SRではimatinibの添加後もリン酸化ERK1/2量が変化しなかった。以上より、RAS-MAPK系の調節異常がimatinib耐性機序に関与しているものと考えられた。imatinibとR115777とを同時に添加し、Steel-Peckham法によるIsobologramで解析したところ、全てのimatinib耐性株で明確な相乗的細胞増殖抑制効果が認められた。この場合、apoptosisの誘導が観察される一方で、細胞周期への影響は認めなかった。さらに、MEK1/2阻害剤U0126とimatinibの添加によっても相乗的細胞増殖抑制効果が得られた。以上によりRAS-MAPK系に作用する薬剤がimatinib耐性機序に有効である可能性が示された。
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