研究課題/領域番号 |
13671077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 教授 (40129028)
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研究分担者 |
窓岩 清治 自治医科大学, 医学部, 講師 (70296119)
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | プラスミノゲンアクチベータインヒビタ1 / 白血球由来エラスターゼ / プラスミン / フィブリン / プラスミノゲンノックアウトマウス / フィブリン分解産物 / プラスミノゲン / 白血球エラスターゼ / フィブリノゲン分解産物 |
研究概要 |
先天性プラスミノゲン欠損患者では深部静脈血栓症など臨床的に問題になる血栓症はあまり見られない。患者血中エラスターゼレベルは正常の数10-100倍まで上昇が見られ、精製プラスミノゲンを静注するとこのレベルが低下し正常化する。このことからエラスターゼを介するフィブリン分解系が血栓予防に代償的に働いていることが示唆されている。また、例えば敗血症に伴うDIC症例においては、プラスミノゲンアクチベータインヒビター1が増加しプラスミノゲンアクチベータ・プラスミン系を介するフィブリン分解は抑制される。我々の開発した白血球エラスターゼによるフィブリン分解産物を特異的に測定しうる系を用いて検討した結果、これらの症例では白血球エラスターゼ系が作動しフィブリン血栓を分解している可能性が示唆された。線溶機構としてのプラスミノゲンアクチベータ・プラスミン系と白血球エラスターゼ系とのクロストークを、プラスミノゲンノックアウトマウスを用いて解析した。プラスミノゲンアクチベータ・プラスミン系の欠損は、マウス直腸粘膜下の微小血栓による潰瘍形成および脱肛をもたらすことから、微小循環における血栓形成の危険因子となる可能性が示唆された。この微小循環は、予想に反して白血球エラスターゼ系を阻害することにより改善された。さらにプラスミノゲンノックアウトマウスに対して、LPSによる動的血栓形成刺激を加えた際に生じる肺のフィブリン血栓形成や白血球の浸潤は、白血球エラスターゼの阻害薬により抑制された。これらのことから、プラスミノゲンアクチベータ・プラスミン系と白血球エラスターゼ系はともに止血栓の除去や細胞遊走に深く関与するが、エラスターゼの有する細胞障害作用などを考慮すると、得られた結果の解釈にはさらに詳細な検討が必要であることが示唆された。
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