研究概要 |
Ph^1陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の発症進展にp51/p63(p53ファミリー)変異や新規calpastatin(プロテアーゼインヒビター)類似遺伝子変異が関与していることを分子生物学的手法により細胞レベルで解析・解明することを目的とした。 3種類のmajor bcr-abl(b2-a2,b3-a2,そしてμtype)を用いてCML発症のモデルマウスを作成するのに成功し、一部継続中である。μtype Tgマウス,b3-a2 Tgマウスの作成に成功した。μtype Tgマウスは脾臓、骨髄で顆粒球系、巨核球系の腫瘍性増殖が著しく多臓器にも浸潤を認め、末梢で顆粒球、血小板数の増加を認め発症に潜伏期間が長いのが特徴で、μtype Tgマウス特有のフェノタイプを示した。正常脾臓のCD117、CD61、CD11b、TER119細胞集団は単核領域で22.0%,26.9%,63.6%,23.5%でありTgマウスでは62.2%,88.8%,48.9%,46.0%とすべて増加を示し、Tgマウスでは多核領域細胞の増加(1.1%→9.1%)を認め、そのCD117、CD61、CD11b、TER119もその集団内で57.9%,99.2%,99.2%,71.2%と血小板産生細胞や顆粒球産生細胞など髄外造血の亢進が観察された。b2-a2Tgマウスの作成を現在試みており、すでに成功した上記2種類のTgCMLモデルマウスCMLフェノタイプを現在詳細に検討・解析中である。p51/p63遺伝子はCML病期進展に関与し、異常となることを明らかにした。p51/p63導入Tgマウスの作成も現在試みており、Tgマウスのフェノタイプを現在詳細に検討・解析中である。変異calpastatin類似遺伝子cDNAをRT-PCR後クローニングし塩基配列を検討し発現ベクターにサブクローニングしている。
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