研究課題/領域番号 |
13671123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
根来 伸夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80180701)
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研究分担者 |
岡村 幹夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90169144)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | TGF-β / 培養メサンギウム細胞 / 遺伝子導入 / 糸球体腎炎 / メサンギウム細胞 |
研究概要 |
I.抑制型Smad7のアデノウィルスベクターの作成 a)抑制型Smad7 cDNAの作成:ヒト単球由来培養細胞THP-1からRNAを抽出し、逆転写酵素を利用したPCR(RT-PCR)を用いて抑制型Smad7 cDNAをクローニングした。 b)6xHisタグを有する蛋白質発現ベクターに抑制型Smad7 cDNAを移動した。タンパク質の発現を抗Hisタグ抗体を利用して検出できるようにした。 c)次に抗原性の少ない第3世代のアデノウィルス発現ベクターにSmad7 cDNAを組み入れ、293細胞を使用して、高濃度の組換えアデノウィルスを得た。 II.抑制型Smad7遺伝子導入による培養メサンギウム細胞への影響 a)PDGF-BB刺激したヒト培養メサンギウム細胞に、抑制型Smad7 cDNAベクターを遺伝子導入した。抗Hisタグ抗体の染色にてメサンギウム細胞に免疫反応物を認めた。ついで、メサンギウム細胞の増殖、細胞外基質、および培養上清のTGF-β濃度を検討した結果、抑制型Smad7 cDNAベクター導入によりこれらは有意に抑制された。 III.抑制型Smad7遺伝子導入による腎炎モデル動物の腎病変に対する影響 a)Thy-1腎炎モデルにおいて、抑制型Smad7組込みアデノウィルスによる遺伝子導入を繰り返し行い、病理組織学的変化を検討した。抗Hisタグ抗体の染色にてメサンギウム細胞の一部および尿細管細胞の一部に免疫反応物を認めた。メサンギウム細胞の増殖、細胞外基質、およびの抗TGF-β抗体による免疫反応物量を検討した。メサンギウム細胞において、細胞増殖のマーカーであるPCNAは有意差を認めなかった。しかし、細胞外基質の量および抗TGF-β抗体により染色された免疫反応物質は有意に減少した。 b)IgA腎症モデルマウスにおいて、抑制型Smad7組込みアデノウィルスによる遺伝子導入を繰り返し行い、病理組織学的変化を検討した。抗Hisタグ抗体の染色にてメサンギウム細胞の一部および尿細管細胞の一部に免疫反応物を認めた。メサンギウム細胞において、細胞増殖のマーカーであるPCNAは差を認めず、細胞外基質の量および抗TGF-β抗体により染色された免疫反応物質は差を認めなかった。 c)以上から、腎炎モデルの違いにより、抑制型Smad7遺伝子導入による腎病変に対する影響に違いがあることが明らかになった。
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