研究概要 |
申請者は、Caを通し得るイオンチャネル分子についてその単離と機能の研究を続けていた。膜を6回貫通し、イオンポアーがTrp(ショウジョウ蝿目のCaチャネル)に似たものを分離する。ごく最近Caの細胞内への取り込みを指標として、2つの遺伝子がチャネル、輸送体として報告された(Epithelial Calcium Channel ; ECaC=TRPV5,Calcium Transporting Protein ; CaT1=TRPV6)。これらは、我々が、単離し始めていたもの(ラットECaC;rEcaC,マウスCaT1;mCaT)と共通の構造を持っているチャネル分子であった。 一方生体のCa代謝には、消化管、腎、骨の3カ所が重要であることは、いうまでもない。TRPV5はウサギ12指腸と腎遠位尿細管にありvitDによってmRNAが増える。一方CaT1はラット消化管にのみ存在し、アルカリによって取り込みが増すと報告されている。我々の検討では、rat TRPV5は12指腸と腎遠位尿細管に、mouse TRPV6は小腸と大腸に主に発現している。電気的にこれらの分子の特性を見いだしCa輸送に関わると考えられた。これらのチャネルはcAMPによって活性化されないが、Ca輸送に関わるならば何らかの形で、増加すべきである。mRNAは増えなかった。そこで、cAMPにより蛋白が移動する可能性がある。 このほかにもTRPM4,SAC1=TRPV4は早くから検討していたチャネルで、SICとして、部分を報告している。
|