研究課題/領域番号 |
13671231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾池 文隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324650)
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研究分担者 |
木内 哲也 名古屋大学, 医学研究科, 教授 (40303820)
上本 伸二 三重大学, 医学部, 教授 (40252449)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
貝原 聡 京都大学, 医学研究科, 講師 (70324647)
江川 裕人 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40293865)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 生体肝移植 / 感染 / グラフトサイズ / 門脈圧 / bacterial translocation / cellular factors |
研究概要 |
生体部分肝移植においてsmall-for-size graftでは、生存率が悪くなることが明らかとなった。術前状態がICU管理を要しない患者の一年生存率は、GRWR(グラフト重量レシピエント体重比)1.0以上で91.8%、GRWR0.8-1.0で79.5%、GRWR0.8未満で59.7%であった。術前ICU管理を要する患者では、生存率の差はさらに明らかであった。 直接死因の多くは感染症であり、グラフトサイズと感染症との関連性についての検証するため、79例の生体肝移植症例で門脈カテーテルを留置した。small-for-size graftの患者では有意に門脈圧が高値であった。術後1週目に門脈圧が20mmHgを超える症例で有意に生存率が悪いことが明らかになった(84.5%vs.38.5%)。これら門脈圧が高値の症例では菌血症が高率に発生しており(64.0%;門脈圧【greater than or equal】20mmHg、28.8%;門脈圧<20mmHg)、感染が生存率を下げる大きな要因になっていた。ラット大量肝切除モデルにおいてbacterial translocationが促進されるのと同様の機序がsmall-for-size graftにおける感染症の原因として考えられたため、腸粘膜の退縮を防ぎ、腸内細菌叢を正常に保つことを目的に術後経腸栄養を成人移植全例に導入した。長期の中心静脈栄養が必要なくなり、カテーテル感染のリスクも低下した。 高い門脈圧が死亡率と相関しておりグラフトに対し相対的に過大な門脈血流量が障害をおこしている可能性が考えられたため、術中門脈圧が20mmHgを超える症例、およびsmall-for-size graftの7症例において脾動脈結紮を施行した。脾動脈結紮を施行したグループではグラフトサイズは小さいにもかかわらず術後門脈圧は低く、脾動脈結紮をせず門脈圧の高い群に比べると有意に生存率が改善した。
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