研究概要 |
(背景)インカドロネート(INC)は強力な骨吸収抑制作用を有する第三世代のビスフォスフォネートであり様々な骨代謝異常への応用が期待されている.そこで我々はラットGX骨萎縮モデルに対するINCの効果を検討した. (対象と方法)6カ月齢の雄性Wistarラットを使用した.動物は以下の4群に割り付けた:Sham-operation,GX cotrol,GX with 0.3mg/kg/day INC及びGX with 3mg/kg/day INC.INC経口投与はGX後1週に開始し,7週間継続した.腰椎及び大腿骨の骨密度(BMD)はdual-energy X-ray absorptiometryにより測定した.大腿骨骨幹部の曲げ強度は3点曲げ試験により測定した. (結果)GXは腰椎及び大腿骨のBMDをそれぞれ24及び20%減少させた.INCはGXにより誘発されたBMD減少を用量依存的に抑制した.GX controlグループと比較し,3mg/kgのINCは腰椎及び大腿骨のBMDをそれぞれ27及び17%有意に増加させた.大腿骨の曲げ強度はGX control groupにおいて30%減少した.INC処置は強度低下を用量依存的に抑制し,3mg/kg groupにおいて有意であった.血清CaレベルはGXにより低下したが,INC処置による更なる低下はなかった.血清osteocalcin及びALPはINC処置により減少し,INC処置は骨代謝回転を抑制することによりGXによる骨萎縮を防止することが示唆された. (結論)ラットにおいてビスフォスフォネート-インカドロネートは胃全摘出による骨萎縮を防止する.
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