研究課題/領域番号 |
13671311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宇都宮 徹 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (30304801)
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研究分担者 |
吉武 慎一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80315142)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シスタチン / 大腸癌 / 肝細胞癌 / 肝転移 / プロテアーゼ・インヒビター / 遺伝子導入 / DNAマイクロアレイ / 遺伝子導入DNA / マイクロアレイ / 分子標的 / 予後因子 |
研究概要 |
背景:従来より癌部および非癌部組織における遺伝子上の違いに着目し、Differential display法等を用いて比較し、癌の発生や進展のパラメーターとなりえるかを検討してきた。今回、肝転移関連遺伝子CMAPをマウス肝高転移株よりDifferential display法により発見しクローニングした。 対象と方法:(1)肝癌切除65例の癌部及び非癌部におけるCMAPのmRNA発現量をReal-time定量的PCR法にて測定した。CMAP発現と臨床病理学的因子及び予後との相関を検討した。(2)大腸癌切除79例の癌部及び非癌部におけるCMAPのmRNA発現量をReal-time定量的PCR法にて測定した。CMAP発現の高値群と低値群に分け、臨床病理学的因子と予後の比較を行った。 (3)CMAPを発現していないヒト肝細胞癌株Hep G2にCMAP遺伝子を導入して、遺伝子導入株を作製し、親株と遺伝子導入株の遺伝子発現プロファイルの違いをDNAマイクロアレイを用いて包括的に解析した。 結果:(1)癌部CMAP発現量の中央値で2群に分け比較した結果、高発現例で有意に(P<0.05)肝内転移陽性例が高頻度。予後の検討にても、有意に肝内再発率が高かった(P<0.05)。(2)大腸癌の癌部のCMAP発現量は平均0.062±0.074で、非癌部の0.043±0.037より有意に高く、肝転移例の癌部のCMAP発現量は非肝転移例より有意に高かった。CMAP高値と肝転移は有意に相関し、5年生存率も高値群にて有意に不良であった。(3)CMAPの遺伝子導入株にて高発現する(2倍以上)遺伝子261個と低発現する(1/2以下)遺伝子430個を同定した。発現亢進する遺伝子の中には、chemokine receptor, endothelin receptor, VE cadherin等が、減弱する遺伝子には、activin A receptor, thrombospondin等が含まれていた。 まとめ:1.肝細胞癌例の検討にてCMAP高発現例では肝内転移陽性例が有意に高頻度であった。CMAP高発現は肝内再発に関する独立危険因子であった。2.大腸癌例においてもCMAP高発現例では肝転移が有意に高頻度であり、また、予後が有意に不良であった。3.CMAPの遺伝子導入株における遺伝子発現の変化をcDNAマイクロアレイ法により包括的に検索することで、肝転移を特異的に規定する分子機構の解明に繋がることが期待された。
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