研究課題/領域番号 |
13671317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秦 史壮 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70291557)
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研究分担者 |
本間 敏男 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30315494)
大村 東生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30295349)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
西森 英史 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70336402)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 乳癌 / 骨転移 / 肺転移 / 肝転移 / リンパ節転移 / 動物モデル / DNAチップ / 遺伝子発現解析 |
研究概要 |
乳癌細胞株の樹立を目的に、はじめに多種類のヒト乳癌細胞株を細胞バンクより購入し、ヌードマウスの皮下に接種し、増殖の認められた細胞株による腫瘍をvitroに戻し、親株として細胞培養し、増殖した細胞をヌードマウスの乳腺に同所移植した.これまでに胃癌・膵癌細胞株を用いて行ってきた手法の応用であるが、乳癌細胞は転移までに時間を要し、また浮遊細胞であるため安定した細胞培養に難渋したこともあり、同所移植による転移形成を認めたものの、最終的に高い再現性を持った高転移株(リンパ節、肝、骨)を樹立することができなかった.より転移を生じやすい心腔内接種法も試みたが、安定した高転移系の樹立には至らなかった.そこで接着細胞であるZR75-1(低転移性の親株)の脾臓内接種法を試み、実験転移モデルではあるが高率に肝転移を生ずる高肝転移乳癌細胞株ZR-H4の樹立に成功した.現在、親株と高肝転移株の接着、運動、浸潤、サイトカイン産生等の生物学的形質の比較検討を行い、さらにDNA chipを用いた遺伝子発現解析を進行中である. また乳癌高転移細胞株の樹立後に迅速に遺伝子解析に移行すべく、実験系の確立のため、乳癌株樹立と平行し、すでに当科においてヒト膵癌細胞株HPC-4より樹立した高肝転移株HPC-4H4および高腹膜播種株HPC-4P4aを用い、数千の転移関連遺伝子がプロットされたDNA chipを用いた包括的遺伝子発現解析を行った.その結果、膵癌肝転移、腹膜播種形成に寄与すると推察される遺伝子を同定し得た(J.Exp.Clin.Cancer Res.,2003;22:421-42).さらに解析細胞株を12種類に増やし、同様に遺伝子発現解析に加え、包括的プロファイル解析を行うことにより、肝転移と腹膜播種形成の相違に関わると推察される遺伝子を同定した(J.Clin.Exp.Can.Res.,(in press). 遺伝子解析実験系の確立により、現在スムースに高肝転移乳癌細胞株ZR-H4を用いた発現解析が進行しており、近々に得られる結果において、同定されうる遺伝子は、乳癌肝転移に強い関連が推察され、乳癌転移機能解析および新規転移阻害剤の開発につながる有用な基礎的データを提供するものと推察される.
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