研究概要 |
本研究課題では2年間の研究期間内に,微量なタンパク抽出液から,迅速,かつ簡便にタンパクの定量と蛋白質の機能解析も可能なBio sensor chipの開発を行うことを目標に,解析を行い,以下の成果を得た. (1)Biosensor chipの作製:50種の癌関連遺伝子蛋白質の定量が可能なbiosensor chipを作製した(投稿中). (2)機能解析にはテロメアの伸長反応の手量的評価法であるtelomeric repeat elongation assayを開発した(印刷済み).本法は従来法に比較してPCR法を用いることなく,簡便にテロメラーゼ活性の評価が可能で,さらに新規テロメラーゼ阻害剤のスクリーニングシステムとしても有効であった. (3)MMPの活性定量システムも開発した(投稿中).本法は癌の浸潤転移の診断に有用な方法であった. (4)患者の予後予測因子としてのBio sensor chip assayは数万単位のmicroarrayのscaleには及ばなかった. Bio sensor chipは個々の蛋白質の発現や機能を詳細に解析する事には有用であるが,現在は50種ほどの蛋白質の解析しかできず,cDNA microarrayの様な多因子的な解析は不可能である.限られた因子から,担がん患者の予後を予測する事は不可能であり,今後生体内分子間相互作用解析装置のarray化によるハイスーループット機器の開発が不可欠と思われた.
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