研究課題/領域番号 |
13671368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 国立成育医療センター(研究所) |
研究代表者 |
絵野沢 伸 国立成育医療センター, 研究所・移植・外科研究部, 室長 (40232962)
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研究分担者 |
梨井 康 国立成育医療センター, 研究所・移植・外科研究部, 室長 (60321890)
鈴木 盛一 国立成育医療センター, 研究所・移植・外科研究部, 部長 (00111386)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞移植 / 再生医療 / 肝 / p21 / SCIDマウス / ヒト肝細胞 / 臓器移植 / 家畜臓器 / 胎児 / ラット / マウス / 羊膜細胞 / 遺伝子治療 / 先天代謝異常 |
研究概要 |
臓器移植が研究段階から比較的速やかに臨床に応用され、治療技術としてめざましい成果を挙げているのに対し、組織移植や細胞移植は概念的には古くからあるもののなかなか臨床へ移行できていない。理由の一つに移植された組織・細胞は移植の場に同化せず排除されてしまうことがある。この排除は免疫拒絶反応だけではなく、むしろ外来異物に対する非特異的機構が大きく関わっていると考えられる。 古くから肝は部分切除後に良好な再生を起こすことが知られ、一見治癒の良好な臓器であるとの印象が与えられている。しかしながら、現実には多くの肝炎あるいは肝硬変といった末期病変からの回復はほぼ不可能であり、臓器移植以外に根本的な治療法はない。そこで細胞移植が新しい治療戦略として期待される。一方、近年不足している移植ドナーの新しいソースとして家畜臓器、特にブタ肝のヒト細胞化も考えられている。異種の壁を乗り越えてヒト細胞がブタ体内に定着・増殖するためには、たとえ免疫不全ブタが宿主であったとしても、レシピエントの有する非特異的排除機構の制御と移植細胞の増殖活性化が必要である。そこで同種のみならず異種肝細胞の定着・増殖する条件の探索を行った。 ヒト正常肝細胞由来株THLE5bをマウス肝に生着させるため、細胞周期停止分子であるp21をアデノウィルスベクターによりCB17SCIDマウス肝に強制発現の後肝切除を行い細胞増殖の制御状態について調べた。導入したヒトp21が良好に発現している場合、部分肝切除後の肝再生が抑制されることが重量変化ならびにDNA合成能評価でわかった。ヒト肝実質細胞ソースの開発として作出したTHLE5b細胞はin vitroでは良好な増殖をするがSCIDマウスで腫瘍性の増殖は起こさず正常形質を残していた。この細胞はp21遺伝子導入処置後の再生肝に生着した。このように部分肝切除によって増殖の場を与えp21発現によって宿主の増殖を阻害することが外来細胞の増殖によい環境を与えることがわかった。
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