研究課題/領域番号 |
13671377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 杏林大学 (2002-2003) 東京大学 (2001) |
研究代表者 |
窪田 博 杏林大学, 医学部, 助教授 (00262006)
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研究分担者 |
小塚 裕 東京大学, 医学部, 助教授 (10126055)
高本 眞一 東京大学, 医学部, 教授 (60137833)
藤木 達雄 杏林大学, 医学部, 助手
須藤 憲一 杏林大学, 医学部, 教授 (10111527)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 心房細動 / NAZE手術 / アブレーション / 外科治療 / 赤外線 / 凍結凝固 / 不整脈 / 胸腔鏡 / 心房凝固 / 低侵襲外科治療 / 手術 / 心拍動下手術 / 心房アブレーション / MAZE手術 |
研究概要 |
現在、不整脈に対する外科治療が広く行われているが、とりわけ近年心房細動に対する外科治療(MAZE)手術が注目され世界的に普及してきた。これは、心房を迷路状に切断し、心房の電気的興奮伝播と心房収縮を温存しながら心房細動を消失させる術式であるが、切開縫合線の複雑さ、大動脈遮断時間の延長、出血時の止血の困難さなど、問題点も多い。レーザーも臨床応用が試みられているが、設備が大がかりで高価であり、凝固深達度も調節できず、心房アブレーションには不適である。 そこで我々は、凍結凝固器に注目した。凍結凝固器はすでに不整脈外科において多用されているが、MAZE手術においては弁輪部の凝固に用いられている。我々が最近行った実験において心拍動下であってもある条件下において凍結凝固器MAZE手術により心房除細動が可能なことを確認した。本法は人工心肺を用いないために、手術手技が確立されれば開胸操作を必要とせず、将来胸腔鏡を用いて施行可能になる可能性が高い。本法が実現すると、弁疾患を伴わない孤立性あるいは発作性心房細動患者に対しての手術適応が広がり、心房細動が原因となる頻脈や血栓症を持つ多くの患者がその症状改善、生活の質の向上を得ることができるようになることが期待される。 心拍動下凍結凝固を用いた心房細動手術は、人工心肺を用いて臨床例で7例経験した。本法による臨床例は世界でも未報告である。2003年にAnnals of Thoracic Surgeryに掲載された。赤外線を用いた胸腔鏡下肺静脈隔離術は豚を用いた実験でその有効性が確立された。臨床においては1例2004年に右心耳アブレーションが行われたが、炭化を生じてブロック作成が出来なかった。照射時間のみならずエネルギーをコントロールする必要があるため改良型凝固器を設計し、完成した。あとは臨床応用を待つばかりである。 凍結凝固器はフック型の物を作成し、犬で背静脈アブレーションに成功し、Annals of thoracic Surgeryに掲載された。さらに肺静脈を挟み込むピンチプローブを作成し、豚で成功した。以上は2005、日本心臓ペーシング電気生理学会総会シンポジウム(宝塚)で発表された。他施設ではRadiofrequencyあるいはMicrowaveを用いた不整脈手術の研究、臨床が多く行われるようになってきたが、穿孔などの問題点も多く、本研究が心房アブレーションの新法として、またMAZE手術の新法として今後注目されていくことと思われる。
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