研究課題/領域番号 |
13671453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90168360)
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研究分担者 |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70134103)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 微小循環 / 酸素分圧 / 酸素輸送 / 虚血 / 再灌流 / 脳循環 / 細動脈 / 細静脈 / 白血球粘着 |
研究概要 |
脳梗塞の治療に際して虚血再灌流障害が大きな問題となっているが、その病態はまだ十分解明されていない。虚血再灌流時に脳の酸素分圧は重要な代謝の指標であるが、通常の酸素電極法では電極を刺入するため皮質が傷害される。また一点測定であるため、脳表における酸素分圧の二次元分布が計測できない等の限界があった。本研究では酸素感受性薄膜蛍光センサーを用いて脳表の酸素分圧の可視化を試み、その有用性を検討した。 局所脳虚血モデルの作成であるが、初年度にラット頚動脈へのナイロン糸の挿入・抜去によって作成した実験成績に基づき、本年度はラット前脳虚血モデル(4血管閉塞モデル)を用いた。これは前もって両側椎骨動脈を外科的に閉塞しておき、実験当日には両側総頚動脈を阻血/解除することで前脳虚血/再灌流を与える方法で、Pulsinelliらの方法に準じて作成した。ドップラー血流計にて計測したところ、総頚動脈の阻血/解除に伴って脳血流のシャープな虚血・再灌流時を誘導できることが確認された。 酸素感受性蛍光色素としてはtris(1,10-phenanthroline) ruthenium chloride hydrateを用い、シリカビーズに吸着させた上で薄膜状に固定してプローブ膜とした。従来、我々の実験系では殆ど透明な腸間膜微小血管を用いてきたが、それと異なって実質臓器である脳の場合には、励起光が脳表面で反射して蛍光色素層を再度励起してしまう現象や、脳実質自体の500nm付近での光吸収の変化が無視できない。そこで、本研究ではプローブ膜を更に一層の黒色シリコンエラストマ薄膜にて被覆したところ、上述の迷光や光吸収変化による影響を除去でき、かつ酸素感受性や時間応答能に差は見られなかった。 cranial windowを作成した麻酔下のラット脳表に人工脳脊髄液を介してこのプローブ膜を密着させ、Pulsinelliらの方法にて虚血・再灌流時を誘導したところ、虚血と再灌流時のhyperemiaに伴って、脳表酸素分圧の急速な低下と再上昇が計測された。また、細動脈近傍の虚血前における酸素分圧を基準として、計測領域各部における酸素分圧の不均一性を評価したところ、細動脈から離れた領域ほど虚血時の不均一性が大きく、再灌流時には逆に不均一性は消失する傾向が明瞭に認められた。
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