研究課題/領域番号 |
13671477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
辻田 直隆 福岡大学, 医学部, 助手 (20248496)
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研究分担者 |
山本 正昭 福岡大学, 医学部, 助教授 (80240125)
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 講師 (40271605)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 超音波 / 脳腫瘍 / 化学療法 / 治療装置 / 癌細胞 |
研究概要 |
本研究では音響化学療法の臨床応用を目的として、ラットC6グリオーマ細胞株とU105MGおよびU251MGの2種類のヒトグリオーマ細胞株を用いて、Hematoporphyrin(Hp)誘導体であるPorfimer sodium(photofrin)を増感物質として、平行波超音波照射による音響化学療法の効果について検討し、さらに音響化学療法耐性脳腫瘍の存在とその機序を明らかにするためヒトグリオーマ株化腫瘍細胞についてα2MR/LRPの発現の差、RAP(Receptor-associated protein)によるPfとの結合阻害が音響化学療法の効果に及ぼす影響およびそれら腫癌細胞の形態学的変化を走査電子顕微鏡で検討した。 ラットC6グリオーマ細胞を超音波単独群と超音波+Pf併用群に分け、超音波照射前後にトリパンブルー色素排除試験を行い生細胞率を算出して各実験群の生細胞率を統計学的に検定した。その結果、超音波強度および超音波照射時間が増加するにつれて超音波単独照射群、Pf併用群ともに生細胞率の低下がみられ、特に超音波強度0.3W/cm2において、また照射時間では15秒、30秒間照射において2群間に有意差がみられた。Pfの効果については単独照射群とPf併用群間には有意差がみられたが、インクベートするPf濃度(25、75、150μg/ml)間では生細胞率の有意差はなかった。 α2MR/LRPの発現は、ヒトグリオーマ細胞U105MGでは見られず、U251MG細胞では明らかであった。超音波単独照射群、Pf10分間併用群ともに超音波照射時間が増加につれて生細胞率は低下し、U105MG細胞は照射時間30秒で、U251MG細胞は15、30秒間において超音波単独群とPf併用群間に有意差が見られた。 一方Pf60分併用群では、U251MG細胞は超音波単独照射群とPf併用群間に有意差が見られたが、U105MG細胞では効果の増強はなかった。U251MG、U105MG細胞において超音波単独照射群と音響化学療法後の走査電子顕微鏡による細胞形態の変化は、U251MG細胞は、超音波単独照射群に比べ、Pf併用群で細胞破壊像が強く、U105MG細胞ではその変化はあまり強くなかった。本研究では音響化学療法はグリオーマ細胞に対して有意な殺細胞効果を示すことを明らかにした。 その効果は超音波強度および超音波照射時間に比例して顕著となり、超音波単独照射と比較して有意に増強され、α2MR/LRPが発現している細胞において有意に増強されたのに対し、発現のない細胞では増強効果は少なく、電顕による形態観察の所見と相関した。
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