研究概要 |
骨融解モデルラットにおいて、negative control群(血清のみ)、positive control群(ポリエチレン持続注入)、OPG(破骨細胞分化抑制因子)10mg静注群各10匹を作成した。レントゲン的、組織学的、骨量計測によって、群間比較を行いOPGのポリエチレン誘発性骨融解に対する治療効果を判定した。 結果; (1)レントゲン所見ではnegative control群positive control群、OPG群それぞれ、1/8(2匹は死亡),7/10,3/10で骨融解が見られ、OPGは有意に骨融解を抑制した。 (2)骨量計測では,negative control群、 positive control群,OPG群それぞれ、225,218,233mg/cm^2で有意にOPGで音量が回復した。 (3)組織学的には、界面の膜様組織の厚さの骨髄腔に占める割合は、negative control群、positive control群、OPG群でそれぞれ、14%,17.5%,9.1%とOPG群で有意に膜様組織の介在が抑制された。 (4)破骨細胞の1視野における平均個数は、negative control群、positive control群、OPG群でそれぞれ、2.5,5.1,1.0と有意にOPG群で減少していた。 考察; 我々のラット骨融解モデルにおいて破骨細胞分化抑制因子(Osteoprotegerin-OPG)は、ポリエチレン摩耗粉によって引き起こされた関節周囲の骨融解を有意に抑制し、しかも治療的効果が認められ今後の臨床応用が期待できると考えられる。
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