研究分担者 |
森本 正敏 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教授 (90136482)
高崎 光浩 佐賀大学, 医学部, 助教授 (70236206)
東元 幾代 (小川 幾代) 佐賀大学, 医学部, 助手 (90304914)
十時 忠秀 佐賀大学, 理事 (20038722)
谷村 典弥 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80325612)
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研究概要 |
急性実験においては,下行性疼痛抑制系において,オピオイドの種類および投与量の違いにより,テイルフリックテストを用いた疼痛反応においては,雌雄の差が認められた.下行性疼痛抑制系の腹側中脳水道周囲灰白質(vlPAG)および延髄吻側腹内側領域(RVM)においてμオピオイドアゴニストDAMGOを微量注入したとき,また,DAMGOとともにRVMに微量注入したκオピオイドアゴニストU69593とδ2オピオイドアンタゴニストnaltriben(NTB)においては、反応に雌雄の差が認められ,下行性疼痛抑制系のRVM-PAGでの相互作用に2通りの反応が認められた.しかしながら,δオピオイドアゴニストDELTやカナビノイド受容体作動薬(WIN55,2121-2)やノシセプチン(OFQ)では,テイルフリックテストでは,疼痛反応に雌雄の差を認めなかった. コントロールのラットおよびオピオイド作動薬を投与したときのラットにおいて,脳内のオピオイド受容体およびロエンケファリン,SPおよびCGRPの分布について免疫組織化学手法を用いて調べた.脊髄および下行性疼痛抑制系のPAGおよびRVMにおいては,明らかな性差を認めなかった.オピオイド受容体の中ではμオピオイド受容体陽性神経線維が脊髄後角1,2層に最も密に認められた.しかしながら,RVMにおいては,μ,κ,δすべてのオピオイド陽性線維は非常に疎にしか認められず,また陽性細胞は認められず,性差は認めなかった.下行性疼痛抑制系よりも,側坐核,扁桃体などに認められた.これらは疼痛反応と脳内報酬系との関与を示唆していると思われる.CB-1受容体免疫陽性線維または細胞は,下行性疼痛抑制系には認めなかった. 雌雄のラットにおいてDAMGO,エンドモルフィン1投与時のconditioned place preference(CPP),両性ともpreferenceを示した.また、神経因性疼痛モデルにおいてもDAMGO投与でpreferenceを示した.
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