研究課題/領域番号 |
13671594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
北野 敬明 大分医科大学, 医学部, 助教授 (20211196)
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研究分担者 |
山田 直子(西丸 直子) (山田 直子(西丸)) 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60101086)
岩坂 日出男 大分医科大学, 医学部, 助教授 (90175216)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脳虚血耐性現象 / 燐核磁気共鳴法 / 乳酸 / 高炭酸アシドーシス |
研究概要 |
1.あらかじめ神経細胞に、非致死的な虚血負荷を加えたあと一定期間後(5時間〜7日)に、再度新たに致死的な虚血負荷を加えても、それに抵抗性を獲得する現象が報告されており(虚血耐性現象)、これは熱中症等のストレス、薬剤でも誘導される。今回我々は実験48時間前に片脳虚血を起こした健側脳および、実験48時間前に42〜43℃、15分間の熱ショックを加えたラット脳スライスを用い、乳酸が単独のエネルギー基質下でエネルギー状態を回復できるか^<31>P-NMRを用い高エネルギー燐酸動態を検討した。さらに、その様な前処置を加えた海馬スライスで乳酸のみでシナプスを介した電気活動が維持できるかを検討した。 2.^<31>P-NMR実験では、本学共同研究施設のNMR装置(Bruker社製AMX300WB)を用いて、ラット全脳スライス標本からクレアチン燐酸,ATP等のスペクトルを現在測定している。脳切片作成装置改良等の脳スライス作成方法の変更により、長時間(約12時間)にわたって、安定した燐化合物スペクトルが測定できるようになった。この実験では、フッ化酢酸(FC)によりニューロン単独にした脳スライスでは、対照群ではエネルギー源として乳酸を利用できなかったが、脳スライス作成48時間前に虚血および熱ショックを加えたラット脳スライスでは、FC作用下でも乳酸を利用可能であった。 3.海馬スライス電気活動では、乳酸単独の人工髄液中で対照群はシナプス伝導を伴う電気活動が維持できなかったが、虚血あるいは熱ショック前負荷を行ったスライスでは電気活動が維持できた。 4.このように虚血・熱ショック等のストレス前負荷により、エネルギー代謝の観点からも従来は利用できなかった乳酸がニューロンで利用可能となることが新たに明らかになった。
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