研究課題/領域番号 |
13671600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 金沢医科大学 (2002) 札幌医科大学 (2001) |
研究代表者 |
関 純彦 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50315503)
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研究分担者 |
土田 英昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20155394)
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
金谷 憲明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10244344)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 肺高血圧 / 血管平滑筋 / アドレナリンα受容体 / プロポフォール / EDHF / EDRF / 肺高血圧症 / 吸入麻酔薬 |
研究概要 |
本研究では、病的血管における収縮機能とそれに及ぼす麻酔薬の影響を検討することを目的とした。病的血管として、モノクロタリン誘発肺高血圧モデル(ラット)の肺動脈を用いた。 まず、肺高血圧成立の機序を明らかにするため、肺動脈平滑筋細胞を単離し、パッチクランプ法を用いて電気生理学的な検討を行った。その結果、肺高血圧モデルでは、電位依存性K^+チャネルではなく、Ca^<2+>活性化K^+チャネル電流が有意に抑制されているという新たな知見を得た。これは、肺高血圧症肺動脈は、わずかな収縮刺激で過度に収縮することを示している。 次に、肺高血圧症肺動脈の実際の収縮機能とそれに及ぼす麻酔薬の影響を調べるため、摘出微小動脈の両端にカニュレーションし、内圧を一定に制御し、内径の変化を観察することで血管の反応性を評価するシステムを構築した。しかし、技術的な困難さから微小肺動脈の標本化に難渋した。そこで、比較的標本化が容易なラット微小腸間膜動脈を用いて予備実験を行ったところ、高濃度のフェニレフリンによるアドレナリンα受容体刺激は、律動性の収縮を誘発するという新しい知見を得た。この律動は、臓器血流維持のための重要な生理学的機構であると考えられたため、研究の方向をその機序の解明に向けた。.薬理学的検討から、フェニレフリンが誘発する律動には、内皮依存性過分極因子(EDHF)による周期的な拡張反応が関与していることが分かった。また、現在最も臨床で用いられている麻酔薬のひとつであるプロポフォールは、この内皮依存性律動を増強することが判明した。プロポフォールの律動増強作用は、一酸化窒素合成阻害薬とシクロオキシゲナーゼ阻害薬を投与した状態でも観察されたことから、EDHFによる拡張反応の増強を介することが示唆された。プロポフォールによる麻酔は、微小血管が過度に緊張した状態でも臓器血流を維持できるという利点があるかもしれない。
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