研究概要 |
アドレナリン受容体とGFPとの融合遺伝子をリポフェクチン法によりCOS cell及びHEK293 cellに導入し、受容体に結合したGFPの蛍光を観察した。その結果、β2,α2A,α2Bアドレナリン受容体では、細胞膜上に受容体が密に存在し、細胞内の局在はわずかであった。しかし、α2Cアドレナリン受容体では、細胞膜上だけでなく細胞内にも多くの受容体の局在を認めた。またagonist添加(β2AR:10μM isoproterenol,α2AR:10 nM dexmedetomidine)により、β2及びα2Bアドレナリン受容体では5-10分後には、速やかな受容体のsequestration, internalizationが観察され、これは60分後も認められた。α2A及びα2Cアドレナリン受容体ではこの変化は小さく、また始まりも遅かった。α2Cアドレナリン受容体ではもともとの細胞内局在が大きくこの観察は難しかった。また、agonist添加の20分前にAlexa 546-transferrinを培養液に投与し、あらかじめendosomeを標識した実験系において、β2及びα2Bアドレナリン受容体では5-10分後には、速やかな受容体の細胞膜よりendosomeへの移動が観察され、これをさらにthree-dimensional analysisを用いて3次元的に確認した。これら局在の変化を短時間露光で連続撮影し、コンピューターに取り込み、ビデオ装置を用いて動画にしダイナミックな動きを観察することにも成功した。
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