研究課題/領域番号 |
13671631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
下田 直威 秋田大学, 医学部, 助手 (60196558)
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研究分担者 |
河谷 正仁 秋田大学, 医学部, 教授 (00177700)
佐藤 一成 秋田大学, 医学部, 助教授 (90270842)
松浦 忍 秋田大学, 医学部, 助手 (40332465)
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 教授 (40004642)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HGF / TGF-β1 / c-Met / 尿道閉塞 / 閉塞膀胱 / 再生 / TGF-β |
研究概要 |
当初、神経因性膀胱でNGFによる神経再生過程を明らかにしようとしたが、機能障害膀胱では線維性硬化が回復の弊害となっていた。また、組織修復ではTGF-βなのnegative factorに拮抗する肝細胞成長因子(HGF)が注目されてきたため、方向転換を図って尿道閉塞膀胱をモデルとし、機能障害過程でHGF、TGF-βとそれら受容体の発現を蛋白レベルで解析した。 メスSDラットを用い、はじめに尿道を結紮し、急性期(24時間)で膀胱組織内HGF、TGF-β1、c-Met(HGF受容体)の発現をELISA法およびウェスタンブロッティング法で検討した。HGFに有意な変化を認めなかったが、TGF-β1は術後6時間で著名に上昇し、以後24時間持続した。c-Metは、6時間より減少し、24時間ではほとんど発現が認められなくなった。 次に部分尿道閉塞ラットで、術後1、3、5、7日後、2、4、12、16、20、28週後に膀胱を摘出した。5日以降で有意な膀胱重量の増加が認められた。組織学的には平滑筋細胞の肥大に加え結合組織の増加が認められた。HGFとTGF-β1は術後急激に増加して5日後ころにピークに達したが、TGF-β1は7日後にcontrolレベルに復した。c-Metは、術後すぐに減少し観察期間を通じてそのままであった。 このように、尿道閉塞のような膀胱へ負荷がかかる病態では、急性期よりTGF-β1が過剰発現し、いっぽうでHGFの受容体であるc-Metは持続的に抑制されてしまうことが明らかになった。このことが、膀胱の線維性硬化を起こす一因と考えられる。
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