研究概要 |
加齢膀胱ラットモデルに関しては、生後2-3日目よりamyloid precusor proteinを豊富に含んだ飼料を投与したが、実験に使用するに耐えうる約Alzheimer病モデルとなる24週以前に、ラットはすべて生存し得なかった。しかしラット膀胱からの筋細胞培養および活動性の検討に関しては、以下の方法を確立した。 1.ラットから膀胱を摘出。 2.1mg%collagenase処理により37度条件下で約12時間消化。 3.Dulbecco Modified Eargle Medium(DMEM;日水製薬)+Ham's F12 (日水製薬)を等量とした液体培地に、fetal bovine serum(FBS ; Gibco, Co, Ltd, USA)を5%添加させて、初代培養を継続。 ついで、この培養により5日程度経過した細胞を用いて、4.蛍光プローブ試薬Fura-2/AM(Morecular Probes Inc.,USA)を3〜5μg/mlをloading。 5.室温で60分間incubation。 6.その後37度でpost-incubationを、90分間。 7.ARGUS-50/CA system(Nikon-浜松フォトニクス、日本)を用いて各種薬物による細胞内カルシウムの変動を測定した。 そして細胞内カルシウム濃度の変化と、従来の筋切片を用いる当尺性張力実験の結果を、総合的に検討した。 筋細胞の刺激に用いたagonistのうちKCl, AChの反応性はすべて一過性であり、筋切片の実験で見られる比較的緩徐で数分間続く収縮とは異なるものであった。しかしATP刺激に対しては、筋切片と筋細胞のカルシウム濃度上昇の波形が類似していた。 このことから、プリン受容体に関する実感は、従来の筋切片を用いなければできなかった実験も、凍結して保存しておいた筋細胞を繰り返し使用することで、代用しうる可能性が考えられた。
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