研究課題/領域番号 |
13671658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 大分大学(医学部) |
研究代表者 |
野村 芳雄 大分大学, 医学部, 教授 (90040550)
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研究分担者 |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 助教授 (60219714)
佐藤 文憲 OITA UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE, DEPARTMENT OF ONCOLOGICAL SCIENCE (UROLOGY), INSTRUCTOR (30305049)
黒光 浩一 大分医科大学, 医学部, 助手 (80305052)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 多嚢胞化萎縮層 / エリスロポエチン / EPO受容体 / 腎 / アポトーシス / 嚢胞形成 / シグナル伝達 / 多嚢胞化萎縮腎 / IκB / NFκB |
研究概要 |
[目的]ACDKにおける全長型エリスロポエチン受容体(EPOR)の役割を解明する目的で、1)EPOおよびEPO受容体のACDKにおける発現細胞の同定、2)ACDKのEPO産生細胞およびEPOR発現細胞におけるアポトーシス関連遣伝子群の発現、および3)ヒト初代培養近位尿細管細胞におけるEPOの増殖能に及ぼす影響とEPOの細胞内シグナル伝達の3項目について研究を行った。 [対象と方法]ACDKを有する慢性腎不全患者12症例、13腎を対象とし、抗EPO抗体、抗EPOR抗体、抗Bcl-2抗体および抗Ki-67抗体を用いて免疫染色を行った。アポトーシス細胞はTUNEL法で検出した。またRT-PCRによってEPOおよびEPORのmRNA発現の有無を検討した。さらにヒト初代培養近位尿細管細胞をEPOで刺激し、細胞増殖能をWST-1 assayで測定し、Immunoblot法でシグナル伝達経路を検討した。 [結果]1)EPOはACDKの間質細胞,尿細管上皮細胞,嚢胞内腔上皮細胞および腎癌細胞に陽性であったが,EPORでは嚢胞内腔上皮細胞と腎癌細胞は高頻度に陽性であった。2)EPOおよびEPORのmRNA発現は嚢胞内腔上皮と腎癌組織のいずれにも認められた。3)Bcl-2は尿細管上皮細胞、嚢胞内腔上皮細胞および腎癌細胞の一部に陽性を示した。正常腎組織と比較しACDKは尿細管上皮細胞、嚢胞内腔上皮細胞の増殖能は有意に高値を示した。5)アポトーシス陽性細胞は、尿細管上皮細胞の一部、腎癌細胞で認められた。6)EPO刺激によってヒト近位尿細管細胞は増殖を促進されたが、1κBのリン酸化やSTAT5のリン酸化に変化はなかった。 [結論]長期透析腎においてEPOはオートクリン的な作用により、尿細管上皮細胞のアポトーシスや増殖に影響をおよぼし、ACDKの嚢胞形成に関与している可能性が考えられた。
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