研究課題/領域番号 |
13671660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60193504)
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研究分担者 |
高橋 聡 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30332919)
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20295356)
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
堀田 裕 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90336404)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 前立腺 / 炎症細胞 / ケモカイン / IL-8 / gatifloxacin (GFLX) |
研究概要 |
1.前立腺組織における炎症細胞の病理学的検討 膀胱前立腺全摘術時に前立腺組織を採取し炎症細胞を検討した。組織内に炎症細胞の浸潤を認めた検体は全体の32.4%であった。各種炎症細胞の割合をCD20、CD45RO、CD68、CD79a、S-100の免疫染色により検討した結果、前立腺組織には多くの症例で炎症細胞の浸潤を認め、浸潤している炎症細胞はTcell,マクロファージの順に有意であった。これらの細胞が分泌しているサイトカインが前立腺組織に炎症をもたらし、前立腺炎症状の出現に関与していることが示唆された。 2.抗菌薬によるサイトカイン分泌抑制に関する検討 感染モデルとして、ヒト前立腺癌培養細胞であるPC-3細胞を用い培養上清のIL-8を測定したところ、培養上清中に添加したMycoplasma hominisの濃度依存性に上昇した。RT-PCR法によりPC-3におけるToll like receptor-2とToll like receptor-4のmRNAの発現を確認した。NF-κBの活性を測定したところ、培養上清中に添加したMycoplasma hominisの濃度依存性にNF-κB活性は上昇した。この結果、前立腺細胞においてもToll-like receptorが発現し、このreceptorからのシグナルがNF-κBを介し、IL-8が産生されることが明らかとなった。 次にキノロン系抗菌薬gatifloxacin(GFLX)を培養上清中に添加し、IL-8の濃度を測定したところ、IL-8の産生量はGFLXの濃度依存性に低下した。さらにGFLXはIL-8 mRNA転写において抑制効果を有していることがあきらかとなった。このことは臨床的にも意義深く、慢性前立腺炎における抗菌薬の効果が、その殺細菌性ばかりではなく、サイトカインの抑制効果によってももたらされている可能性が示唆された。
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