研究概要 |
B-6マウスの胎児の肝より得られた幹細胞を移植されたSCDマウス(FLCT)を用いて,移植後3および12ヶ月後にマウスをと殺して各種血球細胞の再構築,特にhostのNK細胞の活性について検討した.GroupAでは幹細胞移植と共に,抗ウサギasialo-GM1抗体を2日投与した群である.Group Bでは正常ウサギ抗体を投与した群である.その結果,FLCTの1ヶ月後にはdonorの細胞比率はGroup Aでは50〜89%であったが,Group Bでは0〜6%であった. また、臍帯血(umbilical cord blood, UCB)移植をうけたhostにおけるGvHDの危険を予想するため、donorのUCBの各種細胞を培養して、NK細胞の役割について調べた.CD56はNK cellの表面マーカーと考えられている.CD56はCD3+UCBの1〜5%に相当し、CD3+の末梢血単核球の5〜8%に相当する.Mixed lymphocyte reaction(MLR)後1ヶ月ではCD3+UCBの12〜25%に見られた.ただし,末梢血単核球てはほとんど差は見られなかった. またさらに、マウス心移植モデルにおいて,慢性拒絶反応におけるNK cellの役割について調べるため,non-obese diabetic and immunodeficient (NOD-SCID, H-2d)マウスの腹腔内に他種のマウスC57/BL6(B6)(H-2b)の心移植を行い,検討したところ,B6マウスのみの心移植では拒絶反応は見られなかったが,T cellまたT cellとNK cellを同時に投与したマウスでは拒絶反応は見られた.このことより,T cellみならずNK cellも慢性拒絶に重要な役割をしていることがわかった.
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