研究課題/領域番号 |
13671685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 三重大学 (2002) 愛知県がんセンター (2001) |
研究代表者 |
杉村 芳樹 三重大学, 医学部, 教授 (90179151)
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研究分担者 |
立松 正衛 愛知県がんセンター, 研究所, 副所長 (70117836)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 前立腺 / 微小解剖 / 前立腺腺管 / エストロゲン / エストロゲン受容体 / エストロゲン受容体ノックアウトマウス |
研究概要 |
生直後の短期間のエストロゲン暴露は、成長後の前立腺に重大な影響を及ぼすことが知られている。この機構を検討する目的で、正常あるいはエストロゲン受容体ノックアウトマウス(aERKO)における、前立腺の巨視的および組織学的な検討とともに、エストロゲン受容体の発現を検討した。 生直後のマウスに生後1日から3日にかけて、低容量(0.01-0.1μg)のDES投与群ではほぼ正常に近い腺管構造が保たれたが、濃度依存的に高濃度(0.5-1.0μg)では腺管分枝形態発生は著しく抑制され、異常な結節状の変化を認めた。DESを0.5マイクログラム投与したところ、DES投与群はコントロール群に比べ約70%減少し、さらに約90%には異常腺管構造が認められた。なおこの異常構造は異形上皮と間質の増勢を認めるが悪性所見は認めなかった。エストロゲン受容体の免疫染色においては、ER-αの免疫染色では、生直後のマウス前立腺においても間質細胞に存在したが上皮には認めず、生後5日目には上皮細胞にER-αの発現を認めた。一方、ER-βは生直後から間質と上皮細胞の両方に発現していた。ER-αの発現量は凝固腺>後側葉>腹葉の順に多く前立腺葉間での異質性を示した。さらに、尿道近くの腺管周囲の間質細胞の核内にER-αの発現を認めたが、遠位(腺管先端部)においての発現は認めず、ER-αは前立腺腺管内での異質性も示した。αERKOにおいては、前立腺の腺管構造に異常を認めず、上皮と間質細胞においてはER-αの発現は無く、ER-βは主に上皮細胞に発現を認めた。エストロゲン受容体(ER)の免疫染色により、生後初期のマウス前立腺においても間質細胞にER-αが存在することから、前立腺発生初期のDES暴露は間質細胞のエストロゲン受容体を介して、長期間にわたる影響を及ぼすことが示唆された。
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