研究課題/領域番号 |
13671709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 信也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90333575)
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研究分担者 |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
巽 啓司 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324633)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 不妊症 / 膜結合型ペプチダーゼ / 卵胞 / 卵巣 / 顆粒膜細胞 / 夾膜細胞 / 生理活性ペプチド |
研究概要 |
不妊症治療の中でも排卵誘発は根幹をなす重要な治療法である。しかしながら、排卵誘発法として広く用いられているゴナドトロピンの投与を行っても卵胞発育が不良な患者がしばしば経験され、これらの症例に対しては現在のところ有効な治療法はない。この問題を解決するためにはゴナドトロピン作用を卵巣局所で制御できる新しい排卵誘発補助療法の開発が望まれる。これまでの研究により卵胞発育の局所調節因子として様々な成長因子が関与していることが明らかにされ、それらの成長因子を使用した排卵誘発法が臨床応用されてきたが、残念ながらその成果は未だに確立されたものとなっていない。我々はこれまでに数種類の膜結合型のペプチダーゼがヒト卵胞に発現していることを見いだしてきたが、これらは卵胞内で細胞機能を調節している様々な生理活性ペプチドの生物活性を制御していることが推察されている。そこで膜結合型のペプチダーゼの阻害剤を用いて膜結合型ペプチダーゼの機能を検討したところ、これらがゴナドトロピン作用を卵巣局所で制御する新しい局所調節因子である可能性が示された。そこで本研究では卵胞発育誘導作用を示したベスタチン(アミノペプチダーゼの阻害剤)について、その臨床応用の実現に向けての基礎検討を行った。またヒトおよびブタの顆粒膜・莢膜細胞培養系を用いてベスタチンの有効濃度、ゴナドトロピンや成長因子とベスタチンとの相互作用、アミノペプチダーゼの基質となる様々なペプチドとベスタチンとの相互作用などを検討した。その結果、残念ながら生体内におけるアミノペプチダーゼの基質は未だ不明であるがベスタチンがゴナドトロピンの作用を様々に修飾しステロイド産生や卵胞発育に影響を及ぼすことが見いだされた。また、その修飾様式から排卵障害の原因の一つである多嚢胞性卵巣の治療にベスタチンが応用できる可能性が示唆された。
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