研究課題/領域番号 |
13671712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古山 将康 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00183351)
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研究分担者 |
井阪 茂之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50346201)
竹村 昌彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (50294062)
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40291950)
太田 行信 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
東 千尋 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20151061)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 酸化ストレス / アラキドン酸 / ホスホリパーゼ / シクロオキシゲナーゼ / HNE(4-hydroxy-2-nonenal) / COX(cyclooxygenase) / prostaglandin / HNE(4-hysroxy-2-nonenal) |
研究概要 |
子宮収縮と炎症反応を関連させる鍵酵素であるホスホリパーゼA2に着目し,高速クロマトグラフィーを用いた高感度の酵素活性測定系を用いて臨床早産患者の血清、羊水、羊膜中の本酵素をその活性を測定した。また本酵素の特異的モノクローナル抗体によるRIA法(シオノギ製薬から供与)を用いて測定した。その結果、早産患者の血清および羊水中に多量のPLA2が分泌され,主としてII群PLA2が早産患者の羊膜細胞から大量に分泌されることを証明した。それらの濃度は血清、および羊水と相関しており、濃度、酵素活性とも測定可能であった。本酵素活性測定系は逆相クロマトグラフィーを用いた非常に高感度な測定系であり、早産のバイオセンサーとして、他の炎症性蛋白より優れていた。また顕性の炎症を伴わない早産患者にもPLA2の発現を同定した。この結果は早産の発症機構に炎症類似またはアラキドン酸カスケードの酵素群の異常が関与することを示している。胎盤感染や早産のメカニズムを考える上でアラキドン酸代謝(ホスホリパーゼやシクロオキシゲナーゼ)を誘導する酸化ストレスの影響を考える必要がある。HNE (4-hydroxy-2-nonenal)は代表的な過酸化脂質分解産物であるが、このHNEとの反応で生じたアルキル修飾タンパク質は難消化性となり、HNE修飾タンパク質は生体老廃物として組織に沈着しやすく、酸化ストレス病態解析における有用なマーカーとなりうる。子宮内感染および早産におけるHNEとCOXとの関連について検討し、子宮内感染を伴った胎盤においてHNEの強い発現を確認した。さらにHNEの子宮収縮に及ぼす影響を検討する目的で絨毛組織の器官培養を行いHNEの添加実験を行った。その結果、絨毛組織にHNEを添加するとRT-PCRによって絨毛組織におけるCOX-2mRNAの発現が増強した。現在さらに絨毛組織においてHNE添加によって培養上清中にprostaglandin E2濃度の上昇をELISA法にて確認し、COX2活性の増強を認め、現在その結果を投稿準備中である。
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