研究課題/領域番号 |
13671719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
本郷 淳司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10301293)
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研究分担者 |
児玉 順一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (90263582)
吉野内 光夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50261235)
工藤 尚文 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90127556)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | IGF-1レセプター / 卵巣癌 / 分子標的治療 / アポトーシス / バイスタンダー効果 / ドミナント ネガティブ / 組み換え蛋白 / IGF-Iレセプター / ドミナントネガティブ |
研究概要 |
I型インスリン様増殖因子受容体(IGF-IR)は細胞の増殖、分化を制御、悪性形質の獲得とその維持に必須である。また強力な細胞生存シグナルを伝達し、各種アポトーシスから強力に細胞を防御する。IGF-IR情報伝達系を遮断や減弱すると、悪性腫瘍細胞は獲得していた悪性形質を失い、in vivoで急速にアポトーシスを生ず。 今回IGF-IRドミナントネガティブの一種であり、発現細胞外に分泌されることにより周囲の細胞にもバイスタンダー作用が期待される486/STOPの発現ベクターを作成し、これを卵巣癌由来細胞CaOV-3に恒久的に遺伝子導入して検討する方法と、また486/STOP組換え蛋白を精製して検討する方法を用いて、各々の抗腫瘍効果をin vivo, in vitroで比較検討した。まず486/STOP恒久発現クローンの単層培養での増殖能は差が認められなかったが、軟寒天培地における足場非依存性増殖能とヌードマウス皮下移植による腫瘍形成能は著しく抑制されていた。 486/STOP組み換え蛋白の軟寒天培地への添加により親細胞の足場非依存性増殖能は抑制された。またヌードマウス皮下にあらかじめ形成したCaOV-3親細胞腫瘍に組み換え蛋白を毎週接種することにより、腫瘍増殖を抑制する事が可能であり、486/STOPに期待されたバイスタンダー効果がin vitro, in vivo両面で確認できた。 486/STOP発現CaOV-3細胞と親細胞を様々な時間で単層共培養した後にヌードマウス皮下に接種して腫瘍形成能を比較検討した。48時間以上両者を共培養すれば強力な腫瘍形成抑制効果が得られた。一方486/STOP発現CaOV-3細胞をヌードマウス皮下に接種検討したところ、in vivoでは48時間以内に、広範にアポトーシスに陥ることが示された。これらの事より486/STOP遺伝子導入細胞は周囲の細胞に486/STOP蛋白を充分に分泌する以前にin vivoではアポトーシスに陥るため、充分なバイスタンダー作用が発揮できない可能性が示唆され、この点では486/STOP組み換え蛋白投与の方が、本蛋白が持つ利点であるバイスタンダー効果をより有効に活用するためには合目的であると考えられた。
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