研究課題/領域番号 |
13671722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
苛原 稔 徳島大学, 医学部, 教授 (20160070)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | GRO-CINC / ケモカイン / インターロイキン / 排卵 / 卵胞閉鎖 / 卵胞発育 / ラット / 卵巣 / 好中球 / PMSG-hCG |
研究概要 |
本研究では、卵胞発育、排卵、卵胞閉鎖機構に卵巣局所に存在する各種サイトカイン、成長因子の関与を明らかにする一環として、幼弱メスラットを用い、卵巣におけるインターロイキンやケモカイン、細胞増殖因子の存在、ならびにそれが排卵機構に関与するホルモンあるいは成長因子、サイトカインなどにより調節を受けるか否かを検討し、以下の知見を得た。 1.白血球細胞の遊走を刺激するケモカインのGRO-CINCが、ラット卵巣の莢膜細胞層にも存在することを免疫組織染色にて明らかにした。 2.ラット排卵過程において、PMSGだけではGRO-CINCの産生は亢進しないが、PMSGの投与後にhCGを投与するとその4時間後から48時間後にかけてGRO-CINCの産生が亢進した。卵巣細胞培養系で、FSH、hCG、IL-1βおよびTNFαはCINC/groの産生を濃度依存性に促進させた。 3.PMSG/hCG刺激による排卵過程における卵巣内のGRO-CINCおよびその調節因子と考えられるIL-1β,TNFα産生の推移は、PMSG-hCG処理ラットでは、卵巣内のCINC/gro、IL-1β、TNFαの産生量はhCG投与後に急激に増加し、IL-1β、TNFαではhCG投与の4時間後、CINC/groは6時間後といずれも排卵以前にピークに達した(P<0.01、0.05、0.01、ピーク値vs投与前値)。CINC/groのピーク値は投与前値の3.7倍であった。CINC/gro mRNAもhCG投与後に強く発現した。このようにPMSG/hCG刺激による排卵過程ではGRO-CINCのピークに先だって、IL-1b, TNFaの産生のピークが見られた。 4.GRO-CINCの中和抗体をラット腹腔内へ投与し、PMSG/hCG刺激を行い、卵管内に排卵された卵を実体顕微鏡下に観察し、排卵過程におけるGRO-CINCの生理的役割を検討した。排卵数は、正常家兎血清を投与した対照の64.0±18.2個(平均±標準偏差)に対し、抗CINC/gro抗体を投与した群では42.8±14.3個と有意に少数で(P<0.05)、抗CINC/gro抗体の腹腔内投与により、排卵数は33%減少した。 以上より、ケモカインのCINC/groは、LHサージ後のIL-1βおよびTNFαの上昇を介して卵巣の莢膜細胞に発現し、好中球を卵胞周囲に遊走させることにより、ラットの排卵現象に関与している可能性が示唆された。
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