研究課題/領域番号 |
13671760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
那波 明宏 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (90242859)
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研究分担者 |
西山 幸廣 名古屋大学, 大学院・医学研究科ウイルス感染, 教授 (60115615)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 増殖型HSV1型変異株 / 卵巣癌 / 腹膜播種 / ヌードマウスモデル / 同系移植マウスモデル / syncytial formation / アポトーシス / immuno-competent mouse / 増殖型HSVI変異株 |
研究概要 |
平成13年度は、ICP6 geneをlac-Z geneの挿入により不活化しかつ感染細胞に細胞融合を誘導するHSV1型変異株(HR522)を作製した。7週齢BALBc/nunu腹腔内に1X10^7HRA卵巣癌細胞を注入移植後7、14日目に5X10^7pfu(high titer)、5X10^6pfu(low titer)の作製した各ウイルス、或いは、taxol(20mg/kg)を腹腔内投与した。low titerウイルス投与群では、2回目のウイルス投与後5、10日目にganciclovir(GCV;1mg/body;i.p)を追加した。無治療群では腫瘍細胞接種後16日までに全例死亡した。これに対して腫瘍接種後60日以上の長期生存は、HR522+GCV治療群の71%、hrR3単独治療群の67%に見られ、taxol治療群と比較して明らかに生存率の改善が認められた(p<0.0001)。HR522注入後30日目までは腫瘍組織内にのみblue-stained感染細胞が認められ、その部位に一致してアポトーシスによる抗腫瘍効果を認めた。平成14年度は、C3Hマウス(immuno-competent mouse)とNfSa肉腫細胞同系腹腔内移植マウスモデルにおけるmutant HSV-1(HF10)の治療効果およびmutant HSV-1の遺伝子解析を主に行った。HF10は既存のreplication-competent HSV-1であるhrR3株よりもマウス延命の点でその治療効果がより強力であることが判明した。HF10の腹腔内連続投与により、9例中8例が腫瘍移植後90日以上の生存を示した。さらに、この生存した8例のマウスにNfSa肉腫細胞を再移植したところ、全例のマウスにおいて、NfSa肉腫細胞の移植拒絶が認められた。他の腫瘍においての拒絶が認められなかったことから、HF10の腹腔内連続投与によりNfSa肉腫細胞に対して特異的な腫瘍免疫反応が惹起されたことが推察された。HF10のin vitroにおける感染細胞に対する特徴として、syncytial formationを引き起こす。このため、できうる限り、その遺伝子解析を試みた。野生株と比較して、1)ULとUL/IRLとのjunction右側部分に3.9-kbpの遺伝子欠損が認められた。2)結果として、UL56蛋白の発現が認められなかった。3)TRL部分における23kbpの遺伝子欠損、4)TRL側UL部分におけるUL遺伝子のrearrangementが認められた。
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