研究課題/領域番号 |
13671797
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長沼 英明 北里大学, 医学部・耳鼻咽喉科学, 講師 (00198342)
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研究分担者 |
河原 克雅 北里大学, 医学部・生理学, 教授 (70134525)
山科 正平 北里大学, 医学部, 解剖学・教授 (90013987)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 内リンパ水腫 / Vasopressin / V-2receptor / 水チャンネル / aquaporin / AQP / 脱水 / メニエール病 / 内耳 / 平衡障害 / 聴覚障害 / ABR / vasopressin |
研究概要 |
これまで内リンパ水腫の発生メカニズムは解明されていない。しかし内リンパ水腫の発生に、内耳膜迷路のVasopressinに対するV-2receptorや水チャンネルaquaporin-2(AQP-2)が関与している報告が散見され、モルモットにVasopressinを腹腔内に投与することにより形態学的に内耳に内リンパ水腫を作製できることを確認されている。しかしこの動物モデルが実際のメニエール病をはじめとする内リンパ水腫疾患を反映しているかどうかは確認できていない。 本研究ではまずVasopressinの腹腔内投与における実験的内リンパ水腫動物モデル(Wistar系ラット)が、実際のメニエール病で認められる聴覚障害を起こしうるかを検討し、10耳/14耳(71,4%)に聴覚障害を確認できた。 次にVasopressinの腹腔内投与による実験的内リンパ水腫動物モデルにおける聴覚障害の経時的変化について検討し、1)聴覚の低下が最大に達する時間は30分-120分後であること、2)聴覚の低下した耳のうち3耳/6耳(50%)(3例/5例:60%)で聴覚の回復が認められたこと、3)Vasopressinの投与は腹腔内に行っているにもかかわらず一側のみに聴覚の低下が認められる例が多かったこと(4例/5例、80%)などが確認された。 さらに同実験動物モデルの聴覚に対する脱水負荷の影響について検討した。脱水負荷実験的内リンパ水腫動物モデルではその多くでVasopressin投与後10分以内に一側の聴覚が低下した。脱水負荷をしない場合に比べて非常に早期に聴覚が低下していた。そのことは脱水負荷により水チャンネルAQP-2が細胞内に合成され、Vasopressinの投与でAQP-2が細胞膜に移動し、その結果水が血中から内リンパに移動して内リンパ水腫が形成されたものと考えられた。脱水負荷は内リンパ水腫の発生準備状態を生じさせる可能性が示唆された。
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