研究課題/領域番号 |
13671809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
大西 純夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (80257914)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 蝸牛外有毛細胞 / 蝸牛内有毛細胞 / 収縮運動 / 細胞内塩素イオン濃度 / アクチン線維 / 塩素イオン濃度 / フロセミド / 電気刺激 / 塩素イオンチャネル / アクチン繊維 / 細胞内塩素イオン膿度 |
研究概要 |
内耳毛細胞の細胞骨格は、外有毛細胞と類似しており、また内有毛細胞にも外有毛細胞と同様の収縮蛋白が存在するという報告は、過去に見られる。しかし、内有毛細胞が収縮運動能を有するという報告はない。我々は、単離内有毛細胞に、外有毛細胞に行ったものと同様の系にて実験を行い、その収縮機構について検討した。モルモットの蝸牛よりコルチ器を取り出し、外有毛細胞と同様に機械的に内有毛細胞を単離した。単離内有毛細胞に10mMのMQAEを負荷し、外有毛細胞と同様のシステムにて観察記録した。また、電気刺激や薬物の投与方法も外有毛細胞の系と同様に行った。(1)内有毛細胞は、短形波電気刺激にて外有毛細胞と同様に体積減少を伴って収縮した。この時同時にMQAE蛍光医強度は急速に増加、すなわち細胞内塩素イオン濃度の急速な現象が見られた。その後、細胞は伸展し、細胞内塩素イオン濃度も増加して元のレベルへ戻った。(2)この内有毛細胞の電気刺激による収縮運動は繰り返し可能であり、一定の閾値を持っていた。(3)内有毛細胞の収縮は、外有毛細胞とは違いアクチンを脱重合させるサイトカラシンBにてほぼ完全に消失する。(4)塩素チャネル阻害薬であるフロセミドの存在下では、外有毛細胞の収縮運動は消失するが、内有毛細胞の収縮運動は消失しない。以上の結果より内有毛細胞も収縮能を持つことが証明され、その収縮運動は外有毛細胞の持つ二つの収縮機構の内のカルシウムチャネルや塩素イオンチャネルを介した運動ではなく、もう一方のアクチン線維による運動であることが解った。また聴器毒性を持つフロセミドの作用は外有毛細胞の運動障害を引き起こすことが解った。これがフロセミドの聴器障害と強く関わっていると考えられる。
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