研究課題/領域番号 |
13671861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (10094111)
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研究分担者 |
澤田 惇 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (10040247)
浅田 祐士郎 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70202588)
直井 信久 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (50211412)
岡野 真弓 九州保健福祉大学, 保健科学部, 講師 (80320498)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 瞳孔径調節機構 / 瞳孔活約筋 / 平滑筋 / 活性ペプチド / アドレノメデュリン / 受容体 / 細胞内情報伝達径 / 一酸化窒素 / 瞳孔括約筋 / アドレノメヂュリン / 細胞内情報伝達系 |
研究概要 |
小瞳孔症例は、日々遭遇する白内障手術難症例のうち、最も頻度が高いものの1つである。高齢者や糖尿病患者では明らかな小瞳孔症例が多く、散憧薬である副交感神経遮断薬トロピカミドに抵抗性を示すことが知られている。我々のグループは、瞳孔径の自律神経系以外の調節機構解明に長年取り組んでおり、手術時における高齢者や糖尿病患者の散憧を助ける新たな生理活性物質を検索している。アドレノメデュリンは、北村らによってヒト褐色細胞腫細胞から1993年に発見された新規ペプチドであり、網膜色素上皮細胞を含む多くの組織・細胞で生成・分泌され、多様な生理活性を発揮していることが相次いで報告されている。我々はこのアドレノメデュリンに着目し、瞳孔径微調節機構におけるこのペプチドの役割について検討した。 本研究課題において、アドレノメデュリンの神経活動に対する影響を検討するため、基礎実験としてウシ培養副腎髄質細胞を用いて異なる機序の細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が電位依存性Na^+チャネルの発現に異なる作用を示すこと、またプロアドレノメデュリンNターミナル12ペプチド(PAMP-12)がニコチン様受容体を選択的に抑制することを確認した。さらに、アドレノメデュリンは、瞳孔括約筋内を走行する血管平滑筋細胞もしくは内皮細胞において産生され、paracrine mannerで、また瞳孔括約筋細胞において産制され、autocrine mannerで瞳孔括約筋のアドレノメデュリン受容体とCGRP受容体に作用し、一部は細胞内のNO-cyclic GMP pathwayを介して、また一部はcyclic AMP pathwayを介して副交感神経抑制時の括約筋の弛緩をさらに強めていることが示唆された。したがって、アドレノメデュリンは、交感神経興奮・副交感神経抑制時に瞳孔散大筋の収縮を助け、強い散瞳をもたらす働きがあると考えられる。これらの新しい知見は、副交感神経遮断薬に抵抗する高齢者や糖尿病患者の縮憧に対して、アドレノメデュリンが散瞳補助薬として臨床応用される可能性を示している。
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