研究分担者 |
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
新垣 隆資 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40294417)
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
口腔連鎖球菌Streptococcus sobrinusの不溶性グルカン合成酵素は,N末側の触媒ドメイン(GS)とC末側のデキストラン結合ドメイン(GBD)から構成されている。本研究ではこの両ドメイン間相互作用と,その酵素活性への影響を解析した。GBDはリピートユニットが6つ連なった構造をとっている。GSのC端側にGBDのリピートユニットを段階的に付加したタンパク質,GS-2R〜GS-6R,およびGSとGBDのドメインの位置を逆にした6R-GS(ドメイン位置置換体)の発現系を構築し,それらのタンパク質を精製した。これらの変異体を用いての研究により,以下のような結果を得た。1.熱測定の結果から,GBDはデキストランとの結合に必須であり,C端欠損に伴いデキストランとの親和性は低下することが示された。2.GBDにデキストランが結合すると,酵素分子は構造変化を起こすことが示された。3.C端欠損度合いの大きい変異株は,デキストラン結合能を有するにも関わらず,欠損の小さい変異体に比べて酵素活性が著しく低下することが示された。4.C端欠損の小さい変異体は,2つのドメインが協同的に変性している,つまり2つのドメインが構造的に相互作用しているのに対し,C端欠損の大きい変異体およびドメイン位置置換体は2つのドメインが個々に独立して変性していることが示された。以上から,GBDの役割は,デキストランと結合することのみではなく,GSとの構造的な相互作用を通して活性サイトと機能相関を持つことで,本酵素の最も重要な働きであるデキストラン依存性グルコシル基転移活性を発現させていることが示唆された。
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