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石灰化球とその形成に関与する非コラーゲン性蛋白質の分析学的及び免疫組織学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671914
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関日本大学

研究代表者

三島 弘幸  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30112957)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード球状石灰化 / 板状石灰化 / 石灰化球 / 結晶の配向性 / コラーゲン線維 / 石灰化様式 / 歯冠象牙質 / 歯根象牙質 / プロテオグリカン / 成長線
研究概要

哺乳類において、外套象牙質の石灰化は基質小胞による石灰化であるが、それ以外の髄周象牙質の石灰化はコラーゲン線維に関連する石灰化様式で形成される。歯冠部の象牙前質において、球状の石灰化球が認められた。歯根部の根尖側の象牙前質では石灰化球は認められず、石灰化したコラーゲン線維が観察された。石灰化球の発達や分布に種差が見いだされた。ヒトやウシなどの有根歯の歯根部とラットやウサギなどの無根歯のセメント質に覆われる舌側部とでは、歯冠部より、石灰化球の形態や大きさが大きく異なっていた。有袋類オポッサムでは歯頸部周囲のみに石灰化球がよく発達していた。爬虫類ワニでは、石灰化球の大きさは哺乳類のものより小型であり、表面に線維状の構造が観察された。ヒト、ウシ、オポッサムの石灰化球のCa/P比では歯冠部と歯根部で有意の差が見出された。無根歯であるラットやウサギ、あるいは多生歯のワニでは差異が見出されなかった。歯の形成機構の違いが石灰化球の形態形成に関与すると考察される。石灰化球の形態形成を分析電子顕微鏡で検索した結果では、石灰化球の形成には、カルシウムやリンの主要な元素以外のMg,S,K,Alの元素が微量に検出された。石灰化球の形成には、カルシウムやリンの主要な元素以外の微量な元素のうち、特にMgが重要な役割を持つことが分析電子顕微鏡の観察から明らかになった。Mgは象牙質のアパタイト結晶の物理化学的安定性に寄与し、石灰化球の形成初期に多く検出された。これは石灰化球の形態形成初期の核形成に関与すると思われる。また、Sの局在は石灰化球中に非コラーゲン性蛋白質であるプロテオグリカンの存在を意味すると考察される。プロテオグリカン内の硫酸基のSが検出されたと判断される。ワニの石灰化球は小さく、歯頸部から歯根部にSが分布していた。プロテオグリカンはコラーゲン線維形成に関与し、さらにCaと親和性があることから、石灰化球の形成を制御すると考察された。ヒト臼歯を抗ヘパラン硫酸抗体で染色した場合、冠部歯髄と根部歯髄で免疫反応態度が異なっていた。この所見は歯冠部と歯根部での石灰化球の形態や発達程度の相違と関連があると考察される。歯冠の象牙前質においては、象牙質が形成されつつある部位でよく反応が見られた。石灰化前線には石灰化球が存在しており、石灰化球の形成とヘパラン硫酸の局在に関連があることが示唆された。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 大久保厚司: "糖尿病により口腔インプラント長期経過に伴い撤去に至った-症例-全身疾患の発症と増悪を予知するための血液検査の必要性-"日本歯科先端技術研究所学術会誌. 8・2. 64-69 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Takashi Ozaki: "Incremental lines in the dentin of Alligator teeth before and after haching"Nihon University. Journal oral Science. 28・2. 143-151 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 大久保厚司: "Ti, Ti 合金インプラント埋入側の口腔底に扁平上皮癌を観た一例-インターネットで検索するTi, Ti合金による癌化の可能性-"日本歯科先端技術研究所学術会誌. 8・3. 118-125 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Nagai, M.: "Invitro study of collagen coating of titanium implants for intial cell attachment"Dental material Journal. 21・3. 250-260 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 大久保厚司: "管理された糖尿病患者の上顎インプラントの長期経過観察"日本歯科先端技術研究所学術会誌. 8・4. 154-160 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Soeda: "Functional characterization of calcium channels localized on the growth cones of cultures rat root ganglion cells"Neuroscience Letters. 325 2002. 5-8 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Takeru Akazawa: "Neanderthal Burials Excavations of the Dederiyeh Cave Afrin, Syria"University of Tokyo Press Production Center. 394 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kakei, M.: "High-resolution electron microscopy of the crystallites of fossil enamels obtained from various geological ages"JOURNAL OF DENTAL RESEARCH. 80・6. 1560-1564 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Kozawa, Y.: "Dental formula of elephant by the development of tooth germ"The world of Elephants, Proceeding of the 1^<st> International Congress. 639-642 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Hayakawa, T.: "Influence of bovine dentin site on the bond strength of resin cement"Journal of Hard Tissue Biology. 10・2. 96-102 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中譲治: "単純な形態の歯の象牙質における石灰化球形成に関する研究"日大口腔科学. 27・1. 43-53 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 三島弘幸: "マイクロフォーカスX線CT装置を用いたヒト小臼歯の三次元再構築像の観察"日大口腔科学. 26・3. 244-248 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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