研究課題/領域番号 |
13671949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
柏俣 正典 朝日大学, 歯学部, 教授 (30152630)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | EGF / EGF受容体 / Erk / PLCγ1 / PKC / PI3K / 分枝形成 / 形能形成 / 唾液腺 / 器官形成 / ErbB / シグナル / Src / インテグリン / 上皮成長因子 / チロシンキナーゼ / MAPK / P13K |
研究概要 |
顎下腺原基の分子形態形成を制御するシグナル伝達機構について以下のような検討を行った。ウエスタンブロット解析により、PI3KおよびPLCγ1が胎仔マウス顎下腺に発現していることがわかった。胎生14、16、および18日目の培養顎下腺にEGFを作用させると顎下腺内のPI3Kp85サブユニットのリン酸化の亢進が誘導した。また、EGFの処理によるPLCγ1のチロシンリン酸化は胎生14日の顎下腺でわずかに促進し、胎生16日の顎下腺では著しく促進していた。PLCγ1阻害剤のU73122およびPI3K阻害剤のLY294002を処理すると顎下腺原基の分枝形成は著しく抑制した。したがって、胎仔マウス顎下腺に発現しているPI3KおよびPLCγ1は主に顎下腺分枝形成を促進的に制御していると考えられた。PLCγ1はジアシルグリセロールと細胞内カルシウムの上昇を惹起するが、これらはprotein kinase C (PKC)の活性化因子である。したがって、PKCは顎下腺分枝形成に対して何らかの役割を果たしていると考えられた。ウエスタンブロットにより、胎仔顎下腺には、少なくとも8種類(PKCα、PKCβ、PKCγ、PKCδ、PKCε、PKCη、PKCλおよびPKCζ)のPKCアイソザイムが発現していることがわかった。胎生16日目の培養顎下腺にEGFを処理すると、PKCαの活性の上昇が認められたが、PKCδおよびPKCεの活性はむしろ減少していることがわかった。胎生13日目の顎下腺原基に種々のPKC活性阻害剤を作用させたところ、PKCα阻害剤のGo6976で分枝形成の著しい抑制、PKCδの阻害剤のRottlerinおよびPKCεの阻害剤のRo32-0432でわずかな促進作用が認められた。以上の結果から、胎仔マウス顎下腺には、EGF処理により連動するPI3KやPLCγ1、および、その下流に位置する種々PKCアイソフォームが発現していることがわかった。また、PKCはEGF処理により同様の応答性を示すのではなく、それぞれのアイソフォーム特有の反応を起こすことがわかった。PKC阻害剤の分枝形成におよぼす影響について検討した結果から、PKCαは分枝形成を促進的に、PKCεとPKCδは抑制的に調節していると考えられた。
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