研究課題/領域番号 |
13671968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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研究分担者 |
板東 高志 (坂東 高志) 徳島大学, 歯学部, 助手 (80208727)
原田 耕志 徳島大学, 歯学部, 助手 (60253217)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HGF / TGF-β3 / 二次口蓋突起 / 形態形成 / 口蓋癒合 / アポトーシス / 上皮間葉転換 / in situ hybridization / SF / TGF-β / 上皮癒合 / 上皮-間葉変換 / サイトケラチン / ビメンチン |
研究概要 |
本研究では、胎生期の細胞増殖を制御するTGF-βと上皮細胞と間葉細胞相互の関係に種々の作用を有するHGF/SFが、二次口蓋突起癒合過程においてどの様に関与するかを、器官培養の系を用いて検討した。 方法1,母マウスに膣栓を確認した時点を妊娠0日とし、妊娠12日より15日にかけて胎児を摘出してパラフィン切片を作製し、或いは全胎仔in situ hybridizationにて、二次口蓋突起におけるHGF/SFとTGF-β3のm-RNAの発現を経時的に検討した。2,摘出した胎児より一対の二次口蓋突起含む上顎組織を器官培養の系に移し培養を開始し、培養液にHGF/SFあるいはTGF-β3を添加、又はそれぞれのantisenseを添加してmRNAの発現を阻止し、他方の増殖因子の発現動態並びに癒合完了に至るか否かを検討した。 結果 TGF-β3 mRNAの発現は12日から二次口蓋突起の上皮層・間葉層に認められ、12.5日にピークに達し、13.5日以降には消失した。HGF/SFもほぼ同時期に主として間葉層に認められ、13.5日以降には消失した。二次口蓋突起の器官培養では、対照群では約半数が癒合の完了が認められた。HGF/SFおよびTGF-β3を過剰添加した群では、癒合状態に対照群との差を認めなかった。HGF/SFのantisense処理では、二次口蓋突起が肥厚して増殖したが、癒合には至らなかった。HGF/SFの受容体であるC-Metに対する抗体を添加した群では、二次口蓋突起の増殖は抑制され上皮の肥厚が見られた。TGF-β3のantisenseを添加した群では、正中方向への増殖が抑制され癒合には至らなかった。HGF/SF及びTGF-β3のanti senseを共に添加した群では、二次口蓋突起の発育は著明に抑制された。以上の結果より、(1)HGF/SFは12日の二次口蓋突起の間葉層に発現を認め、13.5日には消失する。(2)TGF-β3はHGF/SFと同時期に上皮層・間葉層に見られ、13.5日には消失する。(3)HGF/SFを阻害することにより、二次口蓋突起は肥厚するが癒合に至らない。(4)HGF/SFの受容体を阻害すると上皮層の肥厚が見られる。(5)TGF-β3を阻害すると、二次口蓋突起の増殖が抑制され癒合に至らない。 結論 TGF-β3とHGF/SFは同時期に発現し、HGF/SFは水平位への転換に必要な垂直位でのアポトーシスを誘導し、TGF-β3は水平方向への増殖に関与する可能性が示唆された。
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