研究課題/領域番号 |
13672012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鶴町 保 日本大学, 歯学部, 講師 (60139201)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 歯根嚢胞 / 浸透圧 / タンパク質分解酵素 / タンパク質 / 酵素 |
研究概要 |
歯根嚢胞の病変拡大は、嚢胞内溶液による浸透圧の上昇、嚢胞上皮からの嚢胞内への分泌、嚢胞壁における細胞増殖などが要因とされている。いずれの場合にも、嚢胞内溶液成分の増加に伴う内圧亢進が深く関わると推測されるが、その詳細な機構は依然として不明である。嚢胞内溶液中には、電解質、タンパク質、脂質、粘液成分などが多量に存在し、これらの中でタンパク質、脂質、粘液成分は浸透圧を上昇させて内圧亢進に深く関与すると考えられている。 そこで、二ヵ年計画で嚢胞内溶液成分と浸透圧との関連から歯根嚢胞の病変増大機構の研究を行った。まず、嚢胞内溶液中の高分子成分(タンパク質やムコ多糖類など)が酵素によって低分子化され、結果としてモル数が増加することで浸透圧の上昇が誘起されるのではないかと考え、実験的に解析を行った。次に、嚢胞内溶液中に多量に含まれる血清タンパク質に対する分解酵素の存在を明らかにし、実際に浸透圧上昇に寄与するかを検討した。 その結果、タンパク質(アルブミン、ゼラチン、トランスフェリン)が酵素によって分解されると、タンパク質の低分子化に伴ったモル数の増加に伴って溶液の浸透圧が上昇することを確認した。また、ヒアルロン酸はそれ自身低濃度で溶液の浸透圧を上昇させる作用があることが明らかとなった。そして、嚢胞内溶液中に血清タンパク質を分解する分子量約28,000のキモトリプシン様酵素が存在することを確認し、嚢胞内溶液中のタンパク質がこれらの酵素によって低分子化され、浸透圧上昇に関与することを明らかにした。
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