研究課題/領域番号 |
13672018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
山田 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40289567)
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研究分担者 |
井上 廣 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50067047)
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
松浦 洋志 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80299586)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | DNAフィルム / 生活歯髄切断法 / ハイドロキシアパタイト / 覆髄剤 / 覆髄 / BMP / アパタイト / ビーグル犬 / 電顕的観察 |
研究概要 |
現在、生活歯髄切断法は水酸化カルシウムを用いる術式が一般臨床において広く応用されており、dentin bridgeの形成がその成功の目安とされている。しかしながら、水酸化カルシウムは強いアルカリ性を有しているために、歯髄組織に広範囲な壊死を引き起こすことが報告されている。さらにdentin bridgeなどの新生硬組織が形成されたということはその歯髄に何らかの傷害性の刺激が加わっていると考える。この様なことから生体親和性のある材料を応用して、歯髄の損傷がより少ない状態で保存できれば非常に有意義であると考える。そこで我々は適度な生体分解能を有し、抗原抗体反応がなく抗菌性もあるとされている人工脂質修飾DNAに着目した。人工脂質修飾DNAは福島らの研究により、生体分解性生体材料の素材として有望であることが明らかにされおり、歯科材料への実用化も期待されている。そこで今回の研究では、生活歯髄切断後の覆髄剤への応用を試みることにした。予備実験にてDNAフィルム自体の操作性に問題があったため、我々はハイドロキシアパタイトにDNAコーティングを施したものを応用し、ハイドロキシアパタイト単味ならびにDNAコーティングハイドロキシアパタイトを用い、ビーグル犬の上下左右犬歯の生活歯髄切断後の断髄面に貼付し、歯髄の組織変化について病理組織学的に観察した。DNAコーティングハイドロキシアパタイト貼付例ではハイドロキシアパタイト単味に比べ、炎症性細胞浸潤は軽度であり、石灰化もわずかであった。このようなことからDNAは歯髄組織に対して傷害性の作用が認められず、むしろ抗炎症作用を有する様に思われた。さらにDNAは抗生物質や骨形成誘導物質などをインターカレーションできることから、将来的に覆髄剤として応用できる可能性があることが示唆された。
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