研究概要 |
1.平成13年度に計画した研究計画と研究成果 多機能合金を開発した組成(Ag:30-50%,Pd:20-30%,Cu:10-20%)の中から6種を選択し、各合金にSnを0,2,4%添加した18種の合金を用いてレジンとの接着性を試験した。歯科精密鋳造法により試料を作製した。接着強さ測定用の試料表面は、Ascastで800番SiC紙までの研磨状態とした。スーパーボンドC&Bはメーカー指示の方法で接着した。接着試験は繰り返し3回行った。接着強さは、市販の金銀パラジウム合金の接着強さ(15〜20MPa)より高い(40MPa以上)接着性を示すものが多くあった。 2.平成14年度に計画した研究計画と研究成果 試験合金は、Auを20%含み,Pdを20,30,40%,Cuを10,15,20%に変化させ残りをAgとする9種の合金にSn, Ga, Inをそれぞれ0,2,4%添加した合計63種の合金とした。スーパーボンドで接着した場合母合金の接着強さは、33.1から42.5MPa, Sn添加合金は、35.9から45.9MPa, Ga添加合金は、38.4から44.1MPa, In添加合金は、42.2から47.3MPaに及んだ。 3.平成15年度に計画した研究計画と研究成果 パナビア21EXは、アロイプライマーを使用しメーカー指示の方法で接着した。母合金の接着強さは、21.8から41.6MPa, Sn添加合金は、19.4から43.2MPa, Ga添加合金は、18.1から33.9MPa, In添加合金は、18.6から42.9MPaとなった。 XPSを用いて接着前試験片表面のAg, Pd, Cu, Sn, Ga, In元素の存在状態について調べた結果、63種合金で、すべての元素が酸化物を構成していた。また,Sn, Ga, Inを添加した合金は,Ag, Pd, Cu,元素の酸化が抑制され添加元素が選択的に酸化されている事がわかった。
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