研究概要 |
ト 走査型レーザー顕微鏡による義歯表面の微生物観察法 -レジン付着カンジグの低倍率観察- レジン表面で培養したカンジダを蛍光染色し,共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて観察することにより,低倍率で義歯表面上の菌の分布を観察する方法を確立することを試みた.その結果,最適染色条件は水溶性エオジン濃度0.01%,染色時間30秒,水洗時間60分であった.この方法は従来の方法に比べカンジダの分布状態を低倍率で鮮明に観察できることから義歯へのカンジダの付着を評価する場合に極めて有効な観察手段であると思われる 2 義歯表面性状の相違による初期プラーク付着の相違 -原子間力顕微鏡による表面性状の観察- 日常臨床で使用頻度の高い硬質裏装材の表面研磨条件を変え(#400,#1000,5μ)カンジダ付着の相違を観察した.付着カンジダのコロニー数測定はCFUとして,蛍光観察は共焦点レーザー走査顕微鏡により行った.また,表面性状観察は原子間力顕微鏡で行った. カンジダのコロニーは表面研磨が5μの研磨条件では全く観察されなかった.蛍光観察では5μ研磨でカンジダのわずかな付着が観察され,#400,#1000研磨ではかなりのカンジグ付着が観察された.また,原子間力顕微鏡観察では5μ研磨でも初期のバー研磨によると思われる研磨の溝が残っていた.このことより表面性状が疎であるほどとカンジグ付着が増加する傾向が示された.
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