研究概要 |
歯周疾患の発症・進展を研究する上で,歯周病原性細菌の生体からの検出は非常に重要である。本研究の目的は,原核細胞固有の16S rRNAに着目し,その遺伝情報を用いた歯周病原性細菌に対する特異的かつ精度の高い検出法の確立を目指すことである。歯周疾患の病態と細菌叢との関連性の検討を行い,歯周病原性細菌の代表的菌種であるPorphyro-monas gingivalis, Actinobacillus actinomycetemcomitansを標的細菌として用いた。 1.遺伝子情報の収集ならびに解析 代表的な口腔細菌14菌種を含む68菌種に対する16S rRNAの遺伝子配列を収集し,遺伝子解析ソフトGeneworksによりアラインメント,ホモロジー解析を行った。 この解析結果に基づき50-merのoligonucleotide probeの設計,作製を行った。 2.作製したoligonucleotide probesを用いたFluorescent in situ hybridization(FISH)法の確立 Hybridization温度,washing温度の検討により,特異性の高い条件を決定した。 3.プローブの特異性 遺伝子系統樹で近縁に位置する9菌種との交差反応性を検討し,交差反応のほとんど認められないHybridization反応結果であった。
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